ゼリア新薬工業は下値切り上げ、22年3月期大幅増益予想

2021年7月26日 08:42

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ゼリア新薬工業<4559>(東1)は消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開している。22年3月期は主力の潰瘍性大腸炎治療剤アサコールの売上拡大などで大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価はモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■医療用医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業を展開

 消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開している。収益面では薬価改定、ライセンス収入・ロイヤリティ収入、研究開発費、広告宣伝費などの影響を受けやすい。

 21年3月期のセグメント別売上高構成比は医療用医薬品事業54%、コンシューマーヘルスケア事業46%、その他0%、営業利益構成比(調整前)は医療用医薬品事業42%、コンシューマーヘルスケア事業55%、その他3%だった。地域別売上比率は日本66%、欧州27%、その他7%だった。

■医療用医薬品事業は潰瘍性大腸炎治療剤アサコールなどが主力

 医療用医薬品事業は、潰瘍性大腸炎治療剤アサコール(協和キリンとの販売提携を終了して20年4月から単独販売)を主力として、炎症性腸疾患治療剤Entocort(エントコート、国内販売名ゼンタコート)や機能性ディスペプシア治療剤アコファイドなども拡大している。21年3月期の売上高はアサコールが165億42百万円、エントコートが48億17百万円、アコファイドが16億67百万円、その他が69億95百万円だった。

 子会社のティロッツ社(スイス)は、アストラゼネカ社からエントコートの米国を除く全世界における権利を取得した。国内ではゼンタコートカプセルとして販売している。また20年11月には、アステラス製薬の英国子会社が欧州を中心に販売しているクロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリア錠(英名DIFICLIR)について、欧州、中東、アフリカおよび独立国家共同体(CIS)における製造販売承認を承継する資産譲渡契約(取得額109百万ユーロ)を締結した。

 アコファイドについては、Meiji Seika ファルマとタイおよびインドネシアにおける独占的開発・販売ライセンス契約、スペインのFAES社とラテンアメリカにおける独占的開発・販売ライセンス契約を締結している。なおアステラス製薬<4503>と日本で行っている共同販促を21年3月で終了し、4月以降は単独で販促活動を行っている。

 20年9月には、鉄欠乏性貧血治療剤フェインジェクト静注500mg(開発コードZ-213)の販売を開始した。日本の鉄製剤市場で販売されている注射剤は現在1剤のみで、治療選択肢が限られた状況となっている。本剤は新たな選択肢として期待されている。

■コンシューマーヘルスケア事業はヘパリーゼ群などが主力

 コンシューマーヘルスケア事業はヘパリーゼ群、コンドロイチン群、ウィズワン群を主力として、日本で初めて月経前症候群の効能を取得した西洋ハーブ・ダイレクトOTC医薬品プレフェミン、連結子会社イオナ インターナショナルの「イオナ」ブランド化粧品なども全国の薬局・薬店・ドラッグストアなどに販売している。21年3月期の売上高はヘパリーゼ群が75億46百万円、コンドロイチン群が60億79百万円、ウィズワン群が16億35百万円、その他が100億円だった。

 20年4月にはヘパリーゼ群の主原料である肝臓加水分解物の安定調達とコンシューマーヘルスケア事業拡大を目的として、日水製薬<4550>から日水製薬医薬品販売の全株式を譲り受けて子会社化(現社名:健創製薬)した。20年10月には、筋肉・骨・軟骨の構成成分を配合したビタミン含有保健剤「コンドロアミノCa錠」(指定医薬部外品)を発売した。

■消化器分野を最重点領域として新薬開発を推進

 消化器分野を最重点領域と位置付けて新薬開発を推進している。新薬パイプラインの状況(21年5月11日現在)は以下の通りである。

 鉄欠乏性貧血を適応症とするZ-213(ビフォーファーマ社から導入)は、19年3月鉄欠乏性貧血治療剤フェインジェクト静注500mgとして国内製造販売承認を取得、20年9月販売開始した。

 子宮頸癌を適応症とするZ-100(自社品)は第3相(日本を含むアジア共同治験)段階である。予定された患者登録をすべて終了している。第10次中期経営計画(20~22年度)期間内の日本での製造販売承認申請を目標としている。

 Z-338(自社品、アコファイド)は、日本では小児機能性ディスペプシア患者を対象とする第3相段階、欧州では機能性ディスペプシアを適応症として第3相段階である。

 高カリウム血症を適応症とするZG-801(ビフォーファーマ社から導入)は第3相段階である。米国では15年12月販売開始し、欧州では17年7月EMA(欧州医薬品庁)から承認取得している。また高カリウム血症を伴う慢性心不全を適応症として国際共同治験に参加して第3相段階である。

 潰瘍性大腸炎を適応症とするZ-206(自社グループ品、アサコール)は中国で20年4月承認取得した。販売については、開発主体であるTillotts Pharma AGが、イタリアのMenariniグループの中国現地法人と独占的販売権供与に関する契約を締結している。

 なおベルフェミン(OTC医薬品、西洋ハーブ)について、20年11月に厚生労働省から、軽度の静脈還流障害(静脈の血流が滞ること)による足のむくみ改善薬の製造販売承認を取得した。

■アサコールやエントコートの拡大などを推進

 収益拡大に向けた重点施策として、医療用医薬品事業ではアサコールの海外販売国拡大(21年3月期末時点ではドイツやフランスなど15カ国で販売中)、フェインジェクトやエントコートの市場浸透、ティロッツ社の営業体制強化、コンシューマーヘルスケア事業では主力製品に次ぐ製品群の育成、日水製薬医薬品販売とのシナジーによる事業拡大を推進している。

 また持続的成長に向けて、消化器領域および既存事業との親和性の高い領域の薬剤導入やM&A、自社製品の海外導出も検討する方針としている。

■22年3月期大幅増益予想

 22年3月期の連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため前期比増減率は非記載)は売上高が600億円、営業利益が48億円、経常利益が48億円、親会社株主帰属当期純利益が33億円としている。

 21年3月期実績との単純比較で売上高は8.2%増収、営業利益は39.5%増益、経常利益は51.2%増益、親会社株主帰属当期純利益は5.8%増益となる。配当予想は21年3月期と同額の34円(第2四半期末17円、期末17円)としている。

 アサコールの海外売上拡大、エントコートの欧州の一部の国における薬価改定影響の一巡、アコファイドのアステラス製薬との共同販促終了と販売移管(21年4月)に伴う在庫調整の影響一巡、20年9月販売開始したフェインジェクトの寄与、コンシューマー事業における新型コロナウイルスの影響緩和などで増収・大幅増益予想としている。

 アサコールについては未販売国における上市活動を推進する。中国では販売間近としている。20年11月に欧州等での製造販売権を承継したディフィクリアについては、年度内にすべての製造販売承認の承継を完了予定としている。コンシューマー事業は販売促進活動の強化などで増収を見込んでいる。収益拡大を期待したい。

■株主優待は年2回、9月末と3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月末および3月末現在の株主を対象として、保有株式数に応じて自社グループ商品を贈呈する。なお3月1日に優待品コース内容変更(詳細は会社HP参照)を発表している。

■株価は下値切り上げ

 5月11日に自己株式取得を発表した。上限80万株・18億円、取得期間21年5月17日~21年11月4日としている。

 株価はやや上値が重くモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。7月21日の終値は2095円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS72円21銭で算出)は約29倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1225円69銭で算出)は約1.7倍、時価総額は約1113億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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