5月の百貨店とSC売上、3カ月連続でプラス コロナ前比ではマイナス拡大

2021年6月26日 09:17

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が5月度の売上高を発表し、新型コロナウイルスの反動増により3カ月連続で前年同月比プラスとなったものの、コロナの影響が大きかった近畿地方ではともにマイナスとなったことが分かった。

【前月は】4月の百貨店とSC売上、2カ月連続でプラス コロナ前比では厳しい状況続く

■百貨店は3カ月連続でプラス

 22日、日本百貨店協会が2021年5月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)65.2%増の2,465億4,160万8,000円となり、3カ月連続でプラスとなった。ただし新型コロナウイルスの影響がない前々年比では43.1%減となっており、3月の同19.1%減、4月の同27.7%減からマイナス幅がより拡大したことで、一段と厳しい状況に陥りつつあることが分かる。

 ラグジュアリーブランドを始めとした高級品、巣ごもり需要に沿った食料品やキッチン雑貨、リビングアイテムが順調。Web接客やオンラインイベントなどの取り組みが好評だったことから、EC(電子商取引)売上も好調だったという。

■札幌や横浜が大幅プラスも大阪が唯一マイナス

 都市別、都市以外の地区別ではほとんどがプラスだった。中でも特にプラス幅が大きかったのは、札幌が前年同月比196.8%増、横浜が同141.3%増、名古屋が同92.9%増、福岡が同90.6%増、関東が同111.7%増など。その一方で新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きかったことから、大阪が同13.7%減と唯一マイナスだった。合わせて近畿も同9.4%増とプラス幅がひと桁に留まっている。

 商品別でもほとんどがプラスだった。特にプラス幅が大きいものでは、婦人服・洋品が同101.9%増、身の回り品が同100.5%増、化粧品が同77.9増、美術・宝飾・貴金属が同222.6%増、菓子が同69.5%増、食堂・喫茶が158.2%増など。一方で、園芸用品、ペット・関連商品、たばこ、切手などを含んだその他のみが同2.8%減とマイナスだった。

■ショッピングセンターも3カ月連続プラス

 25日、日本ショッピングセンター協会が2021年5月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比70.1%増の3,653億6,295万4,000円となり、百貨店同様に3カ月連続でプラスとなった。

 4月25日の緊急事態宣言により、休業要請対象外のテナントもほとんどが休業していたが、5月12日の宣言延長以降は、要請対象外となった業種のテナントが営業を再開。昨年の反動増で大幅プラスとなった。ただし前々年比では33.2%減となっており、4月の同24.8%減からマイナス幅が拡大した。業種別では休業対象となった映画館やネイルサロンなどのサービス業、時短営業と酒類の提供が制限された飲食業の一部が厳しかった一方、ファーストフードなどは好調、「母の日」関連の食品や贈り物関連が堅調だった。

■北海道や関東は倍増も近畿が微減

 売上のうち、テナントが前年同月比100.5%増の2,813億7,168万円、キーテナントが同12.9%増の839億9,127万4,000円となり、どちらも3カ月連続でプラスとなった。

 大都市やその他の地域では多くがプラスだった。特に大都市では札幌市が同335.3%増、横浜市が同224.2%増、川崎市が同194.4%増、その他の地域では北海道が同119.1%増、関東が同112.5%増とプラス幅が大きかった。

 ただし、百貨店と同様に新型コロナウイルスの影響で大阪市が同46.0%減と大きくマイナスだったほか、京都市が同2.5%減、神戸市が同6.2%減、その他の地域では近畿が同2.2%減と小幅ながらもマイナスになっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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