プログラミングの副業にC++言語はもう古いのか

2021年6月25日 17:19

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 メジャーなプログラム言語であり歴史も古い「C++」言語。後発のプログラミング言語に比べ、難解さから副業で選ぶか迷う人もいるだろう。本記事では、プログラミング言語のC++について紹介する。

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■40代50代では高年収のC++言語

 C++(シープラスプラス)は、C言語の機能を拡張する目的で、1983年に登場したプログラミング言語だ。開発者のビャーネ・ストロヴストルップ氏は、AT&Tベル研究所の研究部部長を務めた計算機科学者である。C言語と同様に優れた汎用性を持ったC++言語は、システム開発において幅広い分野で使われ、1998年にはISO標準となった。

 だが近年は、Web開発分野の発展に加え、DXの需要増から影響力は少々後退している印象もある。それはTECH Streetが2020年12月に発表したプログラミング言語別年収ランキングにも表れていた。20代でC++は13位(390万円)でCは14位、30代ではC++とCはともに6位(521万円)だった。C++やCに代わって上位を占めたのは、R、Go、Pythonといった主にWebやAI開発向けの新しいプログラミング言語である。

 興味深いのは、40代と50代での位置だ。40代ではC++は2位(633万円)、Cは8位、50代ではC++は1位(635万円)、Cは3位と上位を占めていたのだ。この結果には、プログラマーがプログラミング言語を学んだ時期と、当時のトレンドや需要も関連しているだろう。だが、C++は依然として高年収を得られるプログラミング言語であり、単に”時代遅れの古い”ものとは言い切れないことを示唆している。

■プログラミングの基礎を学べるメリットがある

 C++言語は、オブジェクト指向を持っており、”モノ”作りに高い適性がある。そのため、ハードウェアやそれを制御するOS、インターネットを介さない大規模システムやネットワークの開発に広く用いられてきた。

 近年では、DXをはじめデジタルやWebと強い関連を持つ分野の発展が目覚ましい。我々の生活を見ても、テレビなどの多くの家電がインターネットとリンクし機能を拡張させている。

 だがユーザーとWebサービスの間には、それを繋ぐハードウェアの存在が欠かせない。この点において、C++言語は依然として強い存在感を持っている。将来性についても、C++言語はまだまだ健在だ。

 C++言語のデメリットは、学習の難しさにある。R、Go、Pythonに比べ原始性を持ったC++言語は、コードが難解で独学は容易ではない。加えて、Cの拡張といった開発背景から、C++の習得にはC言語の理解も欠かせないのだ。算数を知らずして、数学に挑めないようなものである。

 一方で、それはプログラミング言語の基礎を学べるメリットでもある。習得が難しい分、確かな力が得られるのは、副業を含めてプログラマーとして仕事していく面では大きな価値があるだろう。

 DXやAIとの関連からR、Go、Pythonに注目が集まっているが、特に若い年代にはC++言語にチャンスがあるかもしれない。副業で高年収を求めるなら、需要と人材のバランスは見逃せないからだ。C++にはまだ有用性があるにも関わらずトレンドではなくなるため、扱える人材は貴重な存在となるだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る

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