アルペンは15年ぶりの最高純益更新を手掛かりに下値妙味

2021年6月16日 20:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アルペン<3028>(東1)は15日の寄り付き直後に2980円と買われ、連日の年初来高値更新となったが、大引けでは21円安の2943円と7営業日ぶりに反落した。この7営業日間に株価が300円超急伸しており、目先の利益を確定する売り物が出た。

 ただ同社が、今年5月6日に開示した今2021年6月期第3四半期(2020年6月~2021年3月期、3Q)決算は、V字回復して着地し、今6月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示し、この通期純利益が、15年ぶりに過去最高を更新することを手掛かりに、「ウイズ・コロナ」、「アフター・コロナ」関連の割安修正買いが再燃する展開も想定される。株式需給的にも、足元の最高値追いとともに強弱感が対立し、信用売り残・買い残とも拡大、株不足で逆日歩のつく好取組となっており、売り方の買い戻し思惑も高まっている。

■密回避のゴルフ・キャンプ用品が寄与して通期業績は上方修正

 同社の今6月期3Q業績は、売り上げ1715億7000万円(前年同期比2.5%増)、営業利益115億3500万円(同6.42倍)、経常利益127億8100万円(同4.12倍)、純利益83億3500万円(前年同期は4億1100万円の赤字)とV字回復し、今6月期通期予想業績対比の利益進捗率は、営業利益で85%超、経常利益で86%超、純利益に至っては98%超と目安の75%を大きくオーバーした。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大のなか密回避のスポーツ、レジャーとしてゴルフ、キャンプの人気が高まり、ゴルフ用品、キャンプ用品が好調に推移したことが要因となった。なお純利益は、前期に店舗施設などの減損損失12億1700万円を計上しており、この一巡が高進捗率要因となった。

 その今6月期通期業績は、今年1月12日に上方修正され売り上げ2350億円(前期比7.8%増)、営業利益133億円(同3.21倍)、経常利益147億4000万円(同2.56倍)、純利益84億円(前期は1700万円の黒字)と連続大幅増益が予想され、純利益は、2006年6月期の過去最高72億1300万円を更新する。なお配当は、期末配当を期初予想の20円から25円に引き上げ年間45円(前期実績40円)へ増配を予定している。

■PERは13倍と割安で信用取組は株不足で逆日歩のつく好需給

 株価は、今期業績の大幅続伸予想に「ウイズ・コロナ」株人気がオンして2100円台に乗せ、今期第1四半期の好決算でストップ高して2575円まで上値を伸ばし、今年1月の今期業績の上方修正とともに2630円と買い進まれが、今年2月の前会長の不祥事での逮捕が響いて年初来安値2120円まで往って来いの調整となった。同安値からは、今期3Qの好決算で2714円と持ち直し、今期配当の増配発表とともに年初来高値追いとなり、この間、信用の買い残・売り残とも拡大、信用倍率は0.11倍となり逆日歩がつく好取組となっている。業績実態からもPER13倍台と割安だが、今年2月の急落時には信用売り残が急拡大、この信用期日が4カ月目に入っていることもオンして再騰、一段の上値追いにトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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