米賃金動向については予断を持てない状況が続くか

2021年6月9日 17:50

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記事提供元:フィスコ


*17:50JST 米賃金動向については予断を持てない状況が続くか
 8日発表された5月NFIB中小企業楽観指数は99.6となり、市場予想に反して4月から0.2ポイント低下した。労働力不足とインフレ進行の懸念が指数低下の要因とみられている。また、米労働省が発表した4月雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は928.6万件で2000年の統計開始後で最高となった。経済制限措置が緩和されたことで企業による人材確保の動きが拡大している。転職活動も活発となっているようだ。
 市場関係者の間からは、「労働力不足の状態はしばらく続く可能性が高い」との声が聞かれているが、「賃金上昇のペースは加速しない」との見方も多い。労働力の供給制約で雇用の伸びは抑制されているが、現時点でインフレ進行の懸念は高まっていない。ただし、労働力不足が短期間で解消されることは期待できないため、賃金動向については予断を持てない状況が続くとみられる。《MK》

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