欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、前日の買いは一服も米緩和縮小に思惑

2021年5月20日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、前日の買いは一服も米緩和縮小に思惑
20日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けたドル買いは一服の見通し。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)による緩和縮小への思惑で、ドル買いは継続しそうだ。

FRBが前日公表したFOMC議事要旨(4月27-28日開催分)によると、経済の急速な回復が進むなか複数のメンバーが現行の緩和的な金融政策について変更の可能性に言及した。それにより資産買入れの段階的縮小(テーパリング)期待によるドル買いが優勢となり、ユーロ・ドルは1.2160ドル付近に下げ、ドル・円は109円30銭付近に浮上。本日アジア市場でドル売りは一服しており、主要通貨は対ドルで下げ渋る展開でドル・円は109円前半で推移する。

この後の海外市場では、引き続き米金融政策がテーマになりやすい。今晩発表の新規失業保険申請件数は前回から減少が予想され、ドルへの好材料になる見通し。半面、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は前回から伸びが鈍化するとみられ、製造業の失速が意識されやすい。米長期金利は議事要旨公表後に上昇したが、足元では低下しドル買いは仕掛けづらい展開となりそうだ。ただ、FRBの緩和縮小への市場観測は継続しており、ドルは下値の堅い値動きとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・3月経常収支(2月:+259億ユーロ)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:45.0万件、前回:47.3万件)
・21:30 米・5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:41.0、4月:50.2)
・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(3.50%に据え置き予想)
・23:00 米・4月景気先行指数(前月比予想:+1.3%、3月:+1.3%)
・23:30 カプラン米ダラス連銀総裁オンライン質疑応答《FA》

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