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農産物EC販売支援の坂ノ途中、8.3億円調達 ハウス食品や味の素から
環境負荷の低い方法で生産された野菜をECで定期販売する(画像は坂ノ途中の発表資料より)[写真拡大]
新規就農者による農産物のネット販売などを手掛ける坂ノ途中(京都府京都市)が、ハウス食品グループのファンドなどから出資を受け、総額8億3000万円以上の資金調達を行ったと発表した。自社便流通網の拡大や、物流体制の強化、海外事業などに充てる予定だ。
ハウス食品グループとSBIグループが共同で立ち上げたプライベートファンドや味の素など数社に、第3者割当増資を行った。味の素にとっては、これがCVCとして第1号案件となる。これまで4回の増資による調達額は累計約13億7200万円。
坂ノ途中は新規就農者をメインに、環境負荷の低い農業に取り組む生産者の野菜を販売している。野菜セットのEC定期宅配がメイン事業。新型コロナウイルスの影響で消費者の在宅率が高まったことから、需要が拡大しこの2年で約4倍に取引件数を伸ばしている。4月現在の取引件数は約6700件だ。
提携生産者は約300件で、その内9割が新規就農者だ。新たに農業に参入する場合販路が障壁になりやすいが、既存の流通経路ではなくECを用意することでそれをカバーする。生産者の事業規模が成長すると共に、購買量を増やして営農計画の支援も行う。今後は生産者向けのオンライン受発注サイトも開発する。
海外事業「海ノ向こうコーヒー」も手掛けている。ラオスやミャンマーなどアジアのスペシャリテコーヒーを取り扱う。現地にスタッフが入り、栽培方法や精製プロセスの見直しと高度化をはじめ、資金面、販路構築までサポートを行っている。国内では生マメの販売額が昨年同月比400%のペースで増加していると言う。今後は海外マーケットへの進出も図る。
同社はドメインとして「環境負荷の小さい農業を広げるためのあれこれ」をあげている。農林水産省が2021年3月に発表した「みどりの食料戦略システム」では、2050年までに有機農業に取り組む面積を100万haに拡大すると掲げられており、追い風が吹いている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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