テーパリングを発表したカナダドルの見通し

2021年5月7日 08:32

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●2022年の終盤にも利上げ

 4月、先進国でいち早くテーパリングを発表したBOC(カナダ中銀)が、2022年終盤にも利上げに踏み切る可能性があることを示唆したとロイター通信などが報じている。

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 利上げ期待からか、テーパリング発表以降カナダドル高が続き、1カナダドル=89円まで上昇、2018年以来の90円台にも到達しようとしている。

 米国経済との関係も強いカナダドルの動向はコロナ禍の克服を象徴しているとも言えるのか?

●カナダドルの特徴

 カナダは石油や天然ガスなどエネルギー資源が豊富な国であり、豪ドルやNZドルなどと同様に資源国通貨と言われる。

 豪ドルやNZドルと違い原油価格の影響も受けやすい。

 2018年に利上げし、金利が1.75%となった時は、同じ資源国通貨の豪ドル・NZドルが利下げしたことも影響し、米国に次ぐ高金利通貨となっていたこともあった。

 隣国である米国FRBの金融政策に追随する特徴もある。そういう意味では今回のテーパリングは異例だったが、米国のワクチン効果やバイデン大統領の追加経済対策も後押ししていることは無視できない。

●今後の見通しは?

 明確な根拠は不明だが、木材価格の上昇がカナダドルの上昇に貢献しているという噂もある。米国の住宅建築需要が好調で、建設業者が木材確保に躍起になっているとブルームバーグが報じている。

 木材の価格だけでなく、米国の経済統計に左右される性質があることは間違いない。

 FRBは2023年末までゼロ金利を維持するとしているが、現在の株高が続き、テーパリングの議論が今年中に出るという予想する市場関係者も多く、ゼロ金利の解除も当然前倒しの議論が出てきてもおかしくない。

 もちろん、このまま新型コロナウイルスがワクチン効果で順調に収束に向かうことが前提ではあるが、今のところその流れに向かっている。

 昨年の今頃はマイナス価格となった原油価格も順調に回復しており、カナダドルの見通しは米国経済との結びつき、資源国通貨としても安泰かもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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