VWは米国法人の嘘(社名変更)を、エイプリルフールだからと看過するのか!?

2021年4月1日 16:16

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 衝撃的な、いや度を過ぎた嘘。3月31日付けのニューヨーク発の共同電が『VWが社名変更、実は冗談 米国法人が発表、株価一時上昇』と題する配信に接した際の偽らざる思いだ。怒りすら覚えた。共同電の内容は以下の様なものだった。

★フォルクスワーゲン(VW)の米国法人は30日、社名を「ボルツワーゲン・オブ・アメリカ」に変更する発表した。

★EVへの流れを加速させる中、電圧を表す単位のボルトを掲げたことからSNSなどで話題を呼んだ。

★だがその後、エイプリルフールの冗談だと明らかにした。

★成長の期待のEV関連ニュースとして投資家が即反応。VWの株価は一時大幅に上昇した。

★うそに振り回されたメディアの一部は、株価操作に当たる行為としてSEC(米証券取引委員会)が問題視すべきだと訴えた。

 SECの反応、そしてドイツVW本社の反応などに関する続報はない(4月1日午前時点)。私見だが、VW本社は看過すべきでないと考える。

 日本の自動車アナリストの反応は早かった。「仮に米国トヨタが同様の嘘を公言した時、豊田章男社長なら、少なくても即刻米国のトップを更迭するだろう」と口を揃えた。社名は企業の歴史を示す「看板」である。百歩譲っても、エイプリルフールの対象ではありえない。

 怒りを覚えて、エイプリルフールとはそもそもどんな経緯で世の中に「嘘をついてもよい日」として登場したのか調べてみた。諸説あることを確認した。例えば以下の様な具合である。

■フランスでは新年を4月1日とし、祭りを開催していた。だが1564年、国王:シャルル9世によってグレゴリオ暦が採用され、1月1日が新年となった。それに反発した面々が4月1日を「嘘の新年」とし、バカ騒ぎをするようになった。これがエイプリルフールの習慣として残った。

■「インド仏教」が起因という説。インドの仏教徒は3月25日から31日まで座禅を組み、主業に励むのが常だった。しかし、修行が終わった4月1日には、すぐに「元の木阿弥」に戻ってしまう。このことを指して4月1日は「揶揄節(僧侶が人をからかったり、バカにしたりする)」と呼ばれるようになったから、という説。

 等々。日本には大正の時代に欧州からエイプリルフールが伝わり、風習が広まっていったとされている。私自身、「エイプリルフールだよ」と後付けするような嘘をついて面白がることがある。しかし世の中には、エイプリルフールでも「ついてよい嘘」と「悪い嘘」があろう。その当たりは心得ているつもりだ。

 時の為政者は「解散日に関しては嘘が許される」というが、4月1日に「●月▲日に解散」と口にした後で「エイプリルフール」としたらどんな反応が待ち構えているだろうか!?―世の中、ついてよい嘘と悪い嘘がある。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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