ユーロ週間見通し:弱含みか、域内経済の減速懸念残る

2021年1月9日 14:29

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記事提供元:フィスコ


*14:29JST ユーロ週間見通し:弱含みか、域内経済の減速懸念残る
■弱含み、米長期金利上昇でユーロ買い縮小

先週・今週のユーロ・ドルは弱含み。英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)の暫定発効を受けてユーロ買い・米ドル売りが優勢となった。年明け後は米国の政治不安を意識したユーロ買いも観測されたが、米大統領選でバイデン氏の勝利が1月7日までに認定されたことで政治不安は後退。民主党による上下両院支配も実現されることから、大規模経済対策への期待が高まり、米長期金利の上昇を受けてユーロ売り・ドル買いが優勢になった。取引レンジ:1.2181ドル-1.2349ドル。

■弱含みか、ECBによるユーロ高けん制を警戒

来週のユーロ・ドルは弱含みか。ユーロは一時1.23ドル台半ば近辺まで上昇したが、欧州中央銀行(ECB)によるユーロ高けん制が警戒される。また、欧州での新型コロナウイルスまん延でドイツをはじめ制限措置が強化されるなか、経済への悪影響を懸念したユーロ売りも想定される。

予想レンジ:1.2100ドル−1.2300ドル

■強含み、米政治不安後退で円売り強まる

先週・今週のユーロ・円は強含み。英国と欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)の暫定発効を好感して、リスク選好的なユーロ買い・円売りが強まった。年明け後は、ドイツでの行動制限の強化への懸念からリスク回避的なユーロ売り・円買いが観測されたが、米大統領選でバイデン氏の勝利が認定され、民主党が上院・下院の多数派を占めることも確定したことから、大規模経済対策への期待が高まり、リスク選好的なユーロ買い・円売りが優勢となった。取引レンジ:126円05銭−127円49銭。

■弱含みか、域内経済の減速懸念残る

来週のユーロ・円は弱含みか。ユーロ高・米ドル安が進んでいることから、欧州中央銀行(ECB)当局者はユーロ高について懸念を伝える可能性がある。また、欧州における新型コロナウイルスの感染流行は続いており、ドイツの制限強化により、域内経済の減速を懸念したユーロ売りも見込まれる。米長期金利が下げ渋った場合、ユーロ売り・米ドル買いが優勢となり、ユーロは対円で伸び悩む可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・13日:11月鉱工業生産(10月:前月比+2.1%)

予想レンジ:125円50銭−128円00銭《FA》

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