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新型コロナウイルスのPCR検査が、根本的に疑わしいとしたら?
日本のPCR検査に設定されているCt値が高過ぎることに関して、何度か情報を提供してきた。簡記すると、日本で設定されている40~45というCt値は高過ぎて、PCR検査陽性者(一般的には感染者と誤った表現で伝えられる)が過大に生み出されているという疑問だ。
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実はその根っこに、もっと深刻な疑問がある。
PCR検査に使われる「基準としての遺伝子配列」は、2020年1月末に医学雑誌ネイチャーに掲載された論文の遺伝子配列が使われている。この論文は、2019年末に中国の武漢で肺炎となった患者の肺中体液に含まれていた、菌やウイルスなどの膨大な遺伝子から、周知済のコロナウイルスの遺伝子配列に類似したものを抽出して、新型コロナウイルスの遺伝子配列と「推定」したものだ。
本来は、無数の遺伝子の中から分離(単離、クローン化)して、対象である遺伝子を特定することと、分離したウイルスを新型コロナウイルスであると確認するための同定作業(分離して得られたウイルスが、既に発症と治癒を経た人の抗体を含む血清によって中和され無力化したことを確認する工程)が必須である。
こうした手順を踏まなければ、抽出したウイルスが目標としたウイルスかどうかを確認することは出来ない。武漢で新型コロナウイルスの遺伝子配列と推定したものは、感染症の病原体を特定する上での指針となる「コッホの原則」を満たしていないことになる。
平たく言うと、いま世界中で「PCR検査の基準となっている遺伝子配列」は、そもそもが怪しいものということになる。
新型として認識されたばかりのコロナウイルスの遺伝子配列を、僅か1カ月ほどの間に特定することは有り得ないことのようだ。ネイチャーに投稿した中国のチームが、新型コロナウイルスの遺伝子配列と断定せずに、「推定」としたことには、責任を回避するための保険的な意味合いと、多少の後ろめたさすら感じられる。
現在その「推定」された遺伝子配列が、新型コロナウイルスのPCR検査で決め手になっている、というのだから”漫画”のような話と言えよう。
最悪の場合、Ct値を過大なまでに増幅された検体の検査結果と、常在するありふれたウイルスの遺伝子配列と比べて、感染者(正しくはPCR検査陽性者)としている可能性すらあるということだ。
その結果、経済活動が極度に圧縮された社会の中で、不要不急の外出を制限された人々がストレスと経済的な困窮の中に暮らしているとしたら、たとえようもない理不尽が、世の中を覆っていることになる。人類はいつ、この悪夢から覚醒するのだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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