建設技術研究所は上値試す、21年12月期も収益拡大期待

2021年1月5日 08:09

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタントの大手である。成長戦略としてグループ一体となった事業拡大を推進している。20年12月期は増収増益予想としている。さらに上振れ余地がありそうだ。防災・減災対策など国土強靭化計画を背景として21年12月期も収益拡大を期待したい。株価は20年12月期配当予想の上方修正も好感して昨年来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■総合建設コンサルタント大手

 総合建設コンサルタントの大手である。河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持っている。海外では英Waterman Group Plc(ロンドン証券取引所上場)を連結子会社化している。

 19年12月期のセグメント別構成比は、売上高が国内建設コンサルティング事業73%、海外建設コンサルティング事業27%、営業利益(連結調整前)が国内建設コンサルティング事業90%、海外建設コンサルティング事業10%だった。収益面では公共事業への依存度が高い。

■グループ一体となった事業拡大を推進

 CTIグループ中長期ビジョン「CLAVIS2025」では、目標数値(19年改訂)として25年の売上高850億円(国内60億円、海外250億円)、営業利益60億円を掲げている。

 CTIグループの安定経営と事業拡大を目指し、成長戦略としてグループ一体となった事業拡大を推進している。また重点事業分野は、防災・減災、既存ストックの運用・維持管理・更新、PM・CM施工管理などの発注者支援、包括維持管理・コンセッションなどのPPP事業、都市総合開発・再開発としている。

 18年2月にはAIベンチャーの知能技術と資本業務提携した。18年10月にはエスプール<2471>と契約して、障がい者雇用のCTIフレッシュグリーン農場を開園した。20年8月には連結子会社の建設技研インターナショナルの株式を追加取得して完全子会社化した。

 20年9月には奈良県王子市と「防災力向上に向けた研究開発に係る連携協定」を締結した。また20年11月には、プロジェクトの一員として担当した百間川分琉部改装事業が土木学会デザイン賞2020で奨励賞を受賞した。

■20年12月期増収増益予想、さらに上振れ余地

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比3.8%増の650億円、営業利益が3.1%増の44億円、経常利益が2.3%増の45億円、純利益が3.3%増の29億円としている。受注高の計画は9.5%減の640億円である。配当予想は12月23日に期末10円上方修正して、19年12月期比10円増配の45円(期末一括)とした。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.6%増の474億23百万円、営業利益が11.6%増の38億15百万円、経常利益が11.8%増の39億01百万円、純利益が19.0%増の25億73百万円だった。新型コロナウイルスの影響としては、海外において新規案件発注遅れや一部プロジェクト進行遅延・工期延長があったが、全体として影響軽微だった。なお受注高は4.9%減の560億49百万円だった。

 第3四半期累計の進捗率は、売上高が73.0%、営業利益が86.7%、経常利益が86.7%、純利益が88.7%と順調だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。防災・減災対策など国土強靭化計画を背景として21年12月期も収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は20年12月期配当予想の上方修正も好感して昨年来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。1月4日の終値は2353円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS205円09銭で算出)は約11倍、前期推定配当利回り(会社予想の45円で算出)は約1.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2169円53銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約333億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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