欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米FOMCでの政策決定を前に売り手控え

2020年12月15日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米FOMCでの政策決定を前に売り手控え
15日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン接種への期待で、円売り基調は続く見通し。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定を前に、ドル売りは手控えられそうだ。

9000億ドル規模の米追加経済対策は中小企業・失業者対策とコロナワクチン普及向けの資金、または企業の賠償免責と州・地方政府向け支援に分割される見通し。与野党合意にはなお時間がかかるものの、進展しているもよう。また、英国と欧州連合(EU)との通商協議に関しても決裂が回避され、安全通貨が売られやすい地合いに。本日アジア市場では日経平均株価や上海総合指数は軟調地合いだが、中国の小売売上高と鉱工業生産は予想通りで株安を嫌気した円買いは抑制され、ドル・円は104円台を中心に底堅く推移した。

この後の海外市場も米追加対策と世界的なワクチン接種が意識されやすい。米国での制限措置の強化はドル売り材料だが、フランス中銀総裁のユーロ高けん制発言でユーロは上昇が抑えられ、ドルは下げづらい。また、ポンドも積極的に買いにくく、ドル買いの支援材料となる。今晩発表の米経済指標のうちNY連銀製造業景気指数や鉱工業生産が低調でも、先行きの減速懸念は限定的とみる。本日から開催されるFOMCで追加緩和が一部で観測されており、政策決定を見極める展開になろう。ただ、強いドル売りは手控えられそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・22:30 米・12月NY連銀製造業景気指数(予想:6.9、11月:6.3)
・22:30 米・11月輸入物価指数(前月比予想:+0.3%、10月:-0.1%)
・23:15 米・11月鉱工業生産(前月比予想:+0.3%、10月:+1.1%)
・23:15 米・11月設備稼働率(予想:73.0%、10月:72.8%)
・06:00 米・10月対米証券投資収支(9月:ネット長期有価証券+1089億ドル)
・06:45 NZ・7-9月期経常収支(予想:-38.60億NZドル、4-6月期:+18.28億NZドル)
・米連邦公開市場委員会(FOMC)(16日まで)《FA》

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