不動産投資をするうえで住宅ローンと投資用ローンの違いを理解しよう

2020年12月6日 08:03

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■同じローンでも審査内容は異なる

 住宅ローンと投資用ローンは同じ不動産を対象としたローンであっても、審査内容は異なる。そのため、将来的に不動産投資とマイホーム購入を検討する際、それぞれの審査内容を理解したうえで検討していただきたい。

【こちらも】ローンを組む際に確認しておきたい年収倍率と返済比率とは?

■異なるポイント

 双方のローンで大きく異なるポイントは年収、金利、不動産の収益性である。それぞれを簡単に解説していきたい。

●1. 年収

 投資用ローンの場合、販売業者にもよるが、最低でも年収400万~500万円ほどは必要である。しかし、大半はそれ以上の金額が要求されるため、この金額より低い年収帯の人でも借入可能な住宅ローンの方が難易度は低い。

●2. 金利

 投資用ローンは一般的に事業用ローンに該当し、住宅ローンと比較すると金利は高く設定されている。昨今、住宅ローンは1.0%以下の場合もあるが、投資用ローンでこの金利を切ることはほぼ不可能で、1%後半から2%台が多い。

●3. 不動産の収益性

 投資用ローンにおいては、申込者の属性に加えて、不動産の収益性や将来性にも大きな評価軸が置かれる。住宅ローンでも不動産は評価対象になるが、それよりも申込者の属性が大きな評価項目といえよう。

■投資用ローンの方が審査は厳しい

 双方のローンを比較すると、投資用ローンの方が審査は厳しい。これは特に年収や勤務先、金利などの面でその差が如実に表れているといえる。

 そもそも、投資用不動産がすべての人にとって必要なものであるかと問われると、そうではない。一方で住宅は「衣食住」の1つで、すべての人にとっては非常に重要な要素である。

 日本国憲法第25条では生存権、いわゆる「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利があることは周知のとおりだ。この生活を実現するために住宅は非常に重要であることは、容易に理解できるだろう。そのため、住宅ローンはいわば金融機関が社会奉仕的な意味合いで貸し出せるように、審査基準が比較的緩くなっているといえる。

■不動産投資と住宅ローンは慎重に検討すべき

 いずれのローンも人生で最も高価な買い物になるため、どのようにローンを組んでいくかを慎重に検討すべきである。

 例えば、両方のローンを組む際には、どちらのローンを先に組むかが大きな検討項目になりやすい。というのは、いずれも高額なローンであるため、個人の与信枠に大きな影響を与えるからだ。これは、住宅を購入したがゆえに、投資用ローンが組めなくなってしまう場合もあるし、その逆も然りといえよう。

 いずれのローンを組む際も、将来的な返済計画に問題がないかを精査したうえで、ローンに申し込むようにしたい。(記事:大掛翔太・記事一覧を見る

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