単細胞から多細胞生物へ、進化の謎を解き明かす鍵を解明 東北大

2020年11月19日 16:21

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細胞が集まるイメージ図。単体で運動するより運動性能が100倍も向上する。(画像:東北大学報道発表資料より)

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 東北大学は17日、細胞が集まって集団で運動することによって、単体で運動するよりも、100倍も運動性能が向上することを発見したと発表した。この発見は、なぜ単細胞生物から多細胞生物へ進化したのか、その謎を解き明かす鍵になるという。

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■生命38億年の歴史

 46億年前に地球は誕生したわけだが、最初の生命は38億年前に単細胞生物という形で登場したと考えられている。そして、10億年前にはさらに多細胞生物が登場した。

 ただいきなり単細胞生物から多細胞生物に進化したわけではない。群体と呼ばれる中間段階を経て、徐々に単細胞生物から多細胞生物に進化したと考えられている。

 群体とは、個々の細胞が連結して集団で生活しているものをいう。連結の仕方には、体の一部が直接連結するものから、体の外に殻などを形成して間接的に連結するものまで、さまざまなものがある。

 多細胞生物では、個々の細胞が分化し、その役割が明確に決まっているが、群体では個々の細胞が分化しておらず、その役割が明確に決まっていないことが特徴だ。群体の具体的な例としては、ボルボックスやユードリナなどがよく知られている。

■細胞が集まり集団で運動することで、運動能力が100倍も向上

 研究グループはこのような群体について、毛様体流体力学を使い、遊泳効率を詳しく調べた。すると、ムカデの足のようにべん毛(毛様体)を等間隔に並べて動かす泳法が、最も効率がよいことが解った。この泳法だと、細胞が単体で運動する場合に比べて、運動能力が100倍にもなるという。

 研究グループによれば、現生する多くの微生物でこの泳法が採用されているという。最も効率的な泳法を採用することで、これらの微生物は生き残ってきたと考えられる。

 研究グループでは、この研究成果は、多細胞化の優位性を示すものであり、なぜ単細胞生物から多細胞生物へ進化したのか、その謎を解き明かす鍵となると考えている。

 研究成果は、16日付でPNAS誌(米国科学アカデミー紀要)に掲載された。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る

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