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■売上高は25.1%減、純利益は146億円の赤字へ
ガストやバーミヤンなどの飲食フランチャイズを展開するすかいらーくホールディングス(すかいらーく HD・3197)は12日、20年12月期第3四半期累計(20年1月~20年9月・IFRS)の連結決算および、通期業績予想を発表した。これまでコロナ禍の影響もあり未開示としていた通期業績予想だが、売上収益は前年比21.9%減の2930億円、営業損益は200億円の赤字、純損益は150億円の赤字と、上場来初の通期赤字を予想した。
第3四半期累計の売上収益は、前年同期比25.1%減の2135億6300万円、営業損益は211億4300万円の赤字、純損益は146億2400万円の赤字だった。新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた飲食業界だが、すかいらーくHDの決算も厳しい数字となっている。
■200店舗の閉店を発表
緊急事態宣言発令に伴い、飲食店の利用者は激減。全国に約3200店舗を運営するすかいらーくHDとしては非常に苦しい状況が一時続いた。特に利用者層の多い家族連れを中心に来店が激減したことから、事業運営の転換を迫られていた。今回の決算で、国内店舗の約6%にあたる200店舗を2021年末までに閉店させていく方針を示し、事業規模の縮小を余儀なくされている。
一方で、コロナ禍の影響から「テイクアウト」や「デリバリー」への需要が高まっており、今後は持ち帰りや宅配専門の店舗を約80店舗オープンする予定だ。実際デリバリーの売上高は前年比で35%増となっており、またテイクアウトは約倍増している。引き続きワクチン開発が急がれる中、コロナ自粛のムードが高まることから、テイクアウトやデリバリーへ注力する模様だ。
■新業態オープンや通販事業の拡大でポートフォリオ強化
すかいらーくHDは既存店の有効活用のため、新業態を含む新しい店舗運営を始めている。から揚げ専門店「から好し」をガスト既存店に内包したり、和食専門店の夢庵や藍屋等で寿司の取り扱いを拡大させ、テイクアウトやデリバリーの強化を図っている。
転換を図った結果、未実施の店舗に比べ総売上が8%上昇しており、テイクアウト売上は70%の増加が見られたという。今後全国の店舗に広げていく方針だ。飲食業界が苦しい中、金融機関も寄り添った対応をとっており、すかいらーくHDが借入しているシンジケートローンの財務制限条項についても、一定の理解を得られているため、当面の事業運営には問題がないといえよう。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
関連キーワードすかいらーくホールディングス、新型コロナウイルス
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