欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、株安で円売り後退も根強いリスクオフのドル買い

2020年11月12日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、株安で円売り後退も根強いリスクオフのドル買い
12日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。新型コロナウイルスのまん延が深刻化するなか、欧米株安に振れれば円売りは後退する見通し。ただ、ドルはリスクオフの買いが根強く、下げは限定的となりそうだ。

前日の取引は米大統領選の通過やワクチン開発への期待感を背景に欧米は株高基調が続き、リスク選好ムードが広がった。米10年債利回りの上昇を手がかりにドル買いが鮮明になるなか、欧州中銀(ECB)の追加緩和への思惑でユーロ・ドルは1.17ドル半ばに下落し、ドル・円は105円60銭台に浮上している。ただ、本日のアジア市場ではコロナまん延に警戒感が広がる。日本では東京都の1日の感染者が11日に300人にのぼり、先行き不透明感から日経平均株価は失速の場面も。そのため円売りは後退し、主要通貨は対円で値を下げた。

この後の海外市場でもコロナ禍がテーマ。本日発表されるユーロ圏の鉱工業生産が低調な内容となれば、域内の減速やECBの追加緩和を意識したユーロ売りが鮮明になろう。一方、米国の消費者物価指数(CPI)は前回から伸びが鈍化する見通し。また新規失業保険申請件数は高止まりで雇用の大幅改善は進まず、株価を下押しする要因になりやすい。そのためリスク回避的な円買いに振れ、主要通貨は対円で弱含むだろう。ただ、米長期金利は3月以来の高水準に戻すなか、ドルはリスクオフによる買いが根強く下げは小幅にとどまりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告
・18:30 南ア・7-9月期失業率(予想:31.0%、4-6月期:23.3%)
・19:00 ユーロ圏・9月鉱工業生産(前月比予想:+0.6%、8月:+0.7%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:73.2万件、前回:75.1万件)
・22:30 米・10月消費者物価指数(前年比予想:+1.3%、9月:+1.4%)
・01:45 ECBフォーラム(ラガルド総裁、パウエル米FRB議長、ベイリー英中銀総裁が出席)
・03:00 エバンス米シカゴ連銀総裁デトロイト地域フォーラム出席
・03:00 米財務省30年債入札
・04:00 米・10月財政収支(予想:-2750億ドル、19年10月:-1344.68億ドル)《FA》

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