ヤマハ、「ペット以上恋人未満」の歌う会話ロボット開発

2020年10月28日 07:55

印刷

歌いながらコミュニケーションをはかり、働く女性を癒すロボット

歌いながらコミュニケーションをはかり、働く女性を癒すロボット[写真拡大]

 ヤマハ(静岡県浜松市)が歌いながら会話するコミュニケーションロボット「Charlie(チャーリー)」のプロトタイプを発表した。2021年春の発売を目指す。ボーカロイド技術を活用し、ユーザーが話しかけるとミュージカルのように歌いながら返事をする。対象は働く女性で、コンセプトは「ペット以上恋人未満」。

【こちらも】業務用サービスロボット、労働力補完機能は充実 普及にはコスト面がカギ

 ヤマハのボーカロイド技術や自動作曲技術を活用した。挨拶はもちろん、相談事や雑談もメロディに乗せて返答する。歌によってユーザーの気持ちをリラックスさせるのが狙いだ。同社はチャーリーを通して、「聴く」「演奏する」以外に音楽との接点をつくる。

 チャーリーの性格設定は「前向きで冗談好き」「口は悪いがロマンチスト」「夢は音楽家になること」。問いかけに素直に応えるだけでなく、ポジティブにユーモアを交えて返答し、ユーザーの気持ちをほぐす。

 人感センサーがついており、ユーザーが話しかけなくても自発的に話しかけてきたり、独り言をつぶやいたりする。会話を重ねることで歌が上達し、音楽もリッチに成長する。言葉と曲調は連動しており、感情を曲に乗せて表現。頭や足をメロディにあわせて動かす。

 同社がチャーリーを開発したのは、音楽愛好家だけでなく、音楽に触れる機会が少ないユーザーに新しい音楽体験を提供するためだ。調査を行い、働く女性の「仕事後に、疲れた気持ちや張っていた気持ちを緩めたい」というニーズに着目し製品化した。

 モルドールインテリジェンスの調査によると、世界の人型ロボット市場は2017年で推計2憶8786万米ドル。2023年までには23憶3754万米ドルに拡大することが予測されている。

 日本はロボット大国で、アトムやドラえもんのような、人型や生き物の形をしたロボットの研究も盛んだ。何もサービスをしないコミュニケーションだけを目的としたロボットにも需要があり、「可愛すぎる家族型ロボット」のコンセプトで開発された「LOVOT(らぼっと)」も話題を集めた。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事