プロ野球シーズン最終盤、投手タイトル争いの行方は

2020年10月20日 13:28

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 プロ野球はレギュラーシーズンが残り20試合を切った。ペナントレースの行方と共に個人タイトル争いも激しさを増してきている。

 投手タイトルではここまで、セ・リーグでは菅野智之(巨人)が開幕から勝ち星を伸ばし続けた他、大野雄大(中日)の連続完投勝利など、目覚ましい活躍が話題となり、大いに盛り上がりをみせた。また、パ・リーグも山本由伸(オリックス)の2年連続タイトル獲得も注目を集めている(成績は何れも10月19日現在)。


■セ・リーグ エース3人による防御率争い、ルーキー森下の奮闘も

 セの最多勝争いは13勝を挙げている菅野か。残り試合数を考えると、先日2桁に乗せた西勇気(阪神)が辛うじて可能性を残している。

 熾烈を極めるのは防御率争いだ。勝ち星上位2人を従え、大野が1.92とトップを走る。両リーグ合わせて唯一の1点台であり、ここまで5完封を記録、現在36イニング連続無失点と、文句のつけようのない成績だ。シーズン序盤こそ勝ち星に恵まれなかったものの、夏場以降、安定感が増し続けている。開幕12連勝の菅野、投球回数最多の西とともに、各チームのエース同士によるレベルの高い争いで主役を演じている。

 また、新人王候補の森下暢斗(広島)は防御率リーグ4位、奪三振数も112個で菅野に次ぐ3位につけている(セ最多は大野の128個)。

■パ・リーグ 山本が連続タイトルへ、勝利数は両ベテランが競う

 山本由伸(オリ)が現在、2.18で2年連続でのパ・リーグ防御率タイトル獲得が近づいてきている。次回登板で規定投球回をクリアすることは確実、ここ5試合では2失点と盤石の内容で、2位の涌井秀章(楽天)にも大きく差をつけている。さらに奪三振も千賀滉大(ソフトバンク)を抑え、139個でトップだ。

 涌井は11勝でパでは勝ち星最多、9勝で美馬学(ロッテ)が追う。今季から新天地で戦う両ベテランがシーズンを通して、粘り強い投球を披露し続けている。

 今季は過密日程の中、セ・パとも、リーグを代表する投手たちの高い技術が光っている。さらに投手各部門タイトルの他、昨年は「該当者なし」に終わった沢村賞の行方にも大きな関心が集まることは必至だ。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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