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「クレンゼ コフレマスク」表面(画像: 倉敷紡績の発表資料より)[写真拡大]
倉敷紡績は9月29日、抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」を活用した、女性用ファッションマスク「クレンゼ コフレマスク」と子供用マスク「クレンゼ ドライマスク」を発売した。繊維上の特定のウイルス数を99%減少させることに加え、コットン100%の生地を使うことで肌ざわりにもこだわっている。
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クラボウは1888年、有限会社倉敷紡績所として設立され、1893年に現在の倉敷紡績株式会社へ改称。1930年には大原美術館を開館している。
2020年3月期の売上高は1,429億円。事業別の構成比は、綿や合繊などの繊維事業が36.1%、内装材や樹脂加工材などの化成品事業が39.0%、エレクトロ関連製品やバイオ関連製品などの環境メカトロニクス事業が15.3%、フリーズドライ食品やホテル・文化施設などの食品・サービス事業が6.6%、不動産賃貸を行う不動産事業が3.0%を占めるクラボウの動きを見ていこう。
■前期(2020年3月期)実績と今期見通し
前期売上高は1,429億円(前年比9.0%減)、営業利益は前年よりも11億円減の45億円(同19.5%減)であった。
事業別営業損益は、繊維がユニフォーム分野、カジュアル分野の不振で前年よりも7億円悪化し17億円の赤字となった。他の事業は黒字ながら、化成品は自動車内装材の不振、ディスプレイ向けフィルムの低調で前年比10億円減の10億円、食品・サービスはフリーズドライ食品の減少、コロナによるホテル不振で同3億円減の6億円であった。
一方、環境メカトロニクスは半導体洗浄装置の大型案件受注、プラント工事の好調、遺伝子解析サービスの堅調で同5億円増の27億円、全社調整は研究開発費の減少で同5億円増の11億円の赤字であった。不動産は前年と同じ30億円の黒字を確保し、全社の営業利益に大きく貢献している。
今期第1四半期(4-6月)実績は売上高が269億円(前年同期比21.3%減)、営業利益3億円(同12.6%増)の中、今期は売上高1,280億円(前年比10.4%減)、営業利益30億円(同33.9%減)を見込んでいる。
■新中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)による推進戦略
「イノベーションによる収益拡大と企業価値の向上」により、2022年3月期に売上高1,700億円(前期比19.0%増)、営業利益90億円(同100%増)を目指して次の戦略を推進する。
●1.高付加価値ビジネスの拡大
●2.海外事業の強化・拡大
●3.R&D活動の推進と新事業創出
●4.事業別の推進
・繊維事業は、AI、IOTを活用したスマート工場化による競争力向上とグローバル展開。
・化成品事業は、高機能樹脂加工品、機能フィルム、高機能資材など高付加価値事業への集中による業容拡大。ウレタンフォーム、建材など基盤事業の再構築、新商品開発。
・環境メカトロニクス事業は、ロボット、検査、計測、遺伝子などでAIを駆使したシステムアップ商品の開発。海外への工作機械拡販。
・食品・サービス事業は、フリーズドライ食品を中心にBtoBビジネスの拡大と、ホテル事業の大規模リニューアルによる集客力アップ。
・不動産事業は、長期安定収益の維持確保に向け不動産賃貸事業の再構築。
クラボウのイノベーションによる収益拡大に大きく影響する繊維事業の動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)
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