ユニクロとZARA、ウィズコロナ/アフターコロナの戦い方

2020年10月2日 18:05

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ユニクロが開始した「RE.UNIQLO」。(画像: ユニクロの発表資料より)

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 ファーストリテイリング(以下、ユニクロとする)が「ユニクロの店頭で回収した中古のダウンジャケットの素材をリサイクルし、再び商品に活用する」と発表した。そんな報道に接した折り、3つのことが頭の中を走り回った。

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 1つは、いかに新型コロナウイルス禍が世界の(消費)経済にとり強烈な負荷となったかという点である。ユニクロは2020年8月期計画を1月・9月の2回にわたって下方修正している。要因はコロナウイルスの影響に伴う「消費手控え」である。

 そしていまやお互いが「世界のアパレル市場の双璧・ライバル」と強烈に意識しているスペインのファーストファッションブランド「ZARA」に代表されるインディテックス(以下、ZARAとする)も、2-4月期の赤字からこそ脱したが5-7月期も純益で前年同期比74%減の落ち込みを余儀なくされた。と同時に世界各地の店舗を「21年までに最大1200店舗閉鎖する」ことを、改めて発信した。やはりその背景は、コロナウイルス禍である。

 1つは、ユニクロと東レの密なる関係である。ユニクロを世に送り出したと言っても過言ではない、「ヒートテック」用の素材(繊維)を開発したのが東レだった。今回の中古ダウンの素材リサイクルでも、東レの技術力なくしては実現できなかったと伝えられている。

 ユニクロは昨秋から今春に回収したダウンを、切断・分離・洗浄の手間をかけ男女兼用ダウンとして従来のダウンと殆ど変わりない価格で11月にも売り出すという。「コロナウイルス禍で消費者の『持続可能性意識(サステナブル)』は高まった。サステナブルの姿勢の追求なくしては生き残れない時代になった」と、再生ダウンの背景をユニクロでは説明するが、手作業では到底なしえない価格設定を可能にしたのは東レが開発した「50倍の速さで処理できる専用機」だった。

 1つは今回のコロナウイルス禍の教訓を、ユニクロ・ZARAはどんな形で活かすのか、である。双方のこの間の言動を勘案すると、1つの共通項が浮上してくる。世界的にビジネスを展開するうえで、ECの拡充である。ネットや専用端末によるネット通販体制の整備強化だ。

 ユニクロの20年8月期中間期のEC売上高は、8.3%増の525億5000万円まで高まっている。そしてEC売上高比率に関して「19年度に11.6%/20年度13.7%、そして30%の達成を目指す」としている。

 一方のZARAも「2-4月期前年比44%の減収となる中、EC売上高は50%増加した」ことを明らかにしており、「22年までの設備投資27億ユーロ(約3300億円)のうち10億ユーロをECの強化に充て、EC売上高比率を25%に引き上げる」目標を掲げている。

 ファーストファッションの世界の両雄は、製品開発は当然として「EC力」の向上に向けられようとしている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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