虫とり小僧:投資とローン返済はどっちを優先すべきか? 【FISCOソーシャルレポーター】

2020年9月11日 16:30

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記事提供元:フィスコ


*16:30JST 虫とり小僧:投資とローン返済はどっちを優先すべきか? 【FISCOソーシャルレポーター】
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家、虫とり小僧氏(ブログ:いつか子供に伝えたいお金の話、ツイッター:@mushitori)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2020年9月8日21時に執筆


借金返済とリスク資産への投資(資産運用)のどちらを優先すべきなのか、という質問を受けたことがあります。

おそらく「借金」とは多くの場合、住宅ローンのことを指すのだと思いますが、なまじ投資に関する知識を持っていると、これって意外に悩むポイントになったりするんですよねえ……。

◎事前に正解は分からない

これはもう、各人の状況や、今後の金利動向・マーケット環境によりけり、としか言いようがなく、その個別の状況や将来のことが分からない以上、事前に正解は分かりません。

基本的には以上です。

・・んでも、それだけでは記事としてあまりにもアレなので、本当にあくまでも無責任な立場から、浅はかな自分の考えをもう少しだけ書いてみます。

◎教科書的には借金返済優先で間違いなし

基本的には「借金返済にまさる運用なし」というのが正しいでしょう。

借金返済によって負債金利分を確実に埋めていくことは、リターンが不確実なリスク資産への投資よりも圧倒的に堅実で、負けない「投資判断」だと言えるはずです。

私も実際に他人にアドバイスをするなら、おそらく多くの場合、借金返済を優先せよ!と言うでしょう。借金があるのに投資なんぞするな!と。

お金に関することは、なるべく手堅く考えて、負ける可能性を減らしていくのが多くの人にとって正解だと思います。

◎でも、併用してる人が必ず損するわけじゃない

ただし、株式などのリスク資産への投資は不確実とはいえ、期待リターンは現在の住宅ローン金利よりもかなり高いと思われます。

当然、プラスになると思うから投資をするわけですし、実際に世界全体を表すメジャーな株価指数(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス)の過去30年を円換算で見ても、年率平均6%以上のリターンがあったのも事実です(当記事執筆時点で)。

私が実践しているようなインデックス投資であれば、続けてさえいれば、簡単にそのくらいのパフォーマンスが残せたわけです。

ローン返済と投資を併用したことにより、保有資産が大きく増えて、(それから一括返済するなどして)結果的にはローン返済のみを優先したケースよりも早く完済できる、という可能性がないわけではありません。例えば35年もあったら、確率的にはそのほうが高いはずです。

・・ただし、そんなことは投資に慣れていて、かつそれなりのリスク許容度を持ち合わせている人にしかできないことですし、大失敗をかます可能性もあるわけです。また、おそらく何度かは必ずやってくるであろうリスク資産暴落時のメンタル的なダメージを考えても、とても万人にオススメできるものではありません。

◎じゃあ、どうすればいいの?

では一体、どっちがいいのか。

やはりこれは、各自で考えて判断するしかないですよね。

そもそも、ローン金利より投資による期待リターンの方が高くても、借金返済と株式や債券などへの投資では「リスク」が異なるので、同列に比べることはできないのです。

結局は、各自の性格や将来の見通し、そして家計体質やリスク許容度によりけりなのでしょう。

リスク資産への投資による期待リターンをどう見積もるか、そして、マーケットで暴落があったり、思い通りにいかなかった場合に、それをどこまで「自責」として受け入れられるのか、によるということです。

リスク資産への投資にアレルギーがなく、未来のことを決め打ちしないスタンスの私は、全力のローン返済はせず、まずは一定の割合で(例えば半々で)リスク資産への投資も継続するという判断も理解できます(金利動向や自分のメンタルの様子を見て、途中の判断変更もあり)。

住宅ローンだって、支払いを先延ばしにして、欲しいものを先に手に入れる(しかも税優遇もある)という画期的な仕組みだと言えなくもありません。

◎家計のキャッシュフローがプラスであることが一番大切

何度も何度もひっくり返して、ホントにどっちつかずの微妙な記事を垂れ流していてお恥ずかしい限りですが、でも、まあ、基本的には借金返済を優先する、という判断軸を持っておいたほうがいいと思いますよ、やっぱり。

ただ、そもそも身の丈を超えたローンを組んでいる場合や、キャッシュフローがマイナス家計体質の場合などは、その時点で失敗してしまっているので、こういう話の土台にすら乗れません。その点はご注意ください。

・・身の丈をわきまえた生き方をして、月々に入ってくる以上にはお金を使わない生活であれば、ま、どっちでも基本、大丈夫っすよ、きっと(途中で柔軟に対応できるでしょうし・・)。

※「インデックス投資」や「積み立て投資」などに関する詳しい話は、自分のブログにクドクドと書いてあります。

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執筆者名:虫とり小僧
ブログ名:いつか子供に伝えたいお金の話
ツイッター名:虫とり小僧(@mushitori)《US》

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