ヒューマンHDの大幅減益の裏読み

2020年8月14日 07:03

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 増収にもかかわらず大幅減益となった企業に対し、「先々を見据えた積極投資負担が大きな要因」と指摘されるケースがある。

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 2018年4月に東証マザーズに上場した企業に、ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(6575、以下ヒューマンHD)がある。前20年3月期は「40.4%増収」に対し「86.4%営業減益、56.5%最終減益」。今期計画は「コロナウイルス禍動向等、不確定要因」から未定で立ち上がった。

 「売上高が上昇しながら利益もそれに追従する」のが、企業収益動向ではベストされるのが常套。「40%超増収に対し86%超の大幅営業減益」が果たして冒頭に記した「先々を・・・大きな要因」に当たるかどうか調べてみたい気になった。

 主要事業が「人」絡みである点に、時流柄の興味を抱いた結果でもあった。ヒューマンHDの目下の主軸事業は、「マネジメント層の人材紹介」「メンタルヘルスケア(企業・団体の社員・職員の心のコンサルティングケア)」「企業向け人材育成研修」。

 前期の大幅増収の理由は、2点。最大の要因は、第1四半期時点で人材育成事業を手掛け実績もあるサイコム・ブレインズの買収。M&Aによる完全子会社化効果。約6億4200万円の売上高の上乗せに繋がっている。人材紹介事業も12.2%増収と順調。メンタルヘルスケア事業はほぼ横這い。

 対して大幅営業減益の理由は「M&Aコスト負担」「メンタルヘルスケア事業部門の人員積極」「人材紹介事業部門の大阪支店本格稼働負担&伴うコンサルタントの増員」が指摘されているが、渡部昭彦社長は決算発表でこう発言している。

 「人材育成事業は新型コロナウイルス禍で3月は振るわなかった。対面による集合研修は軒並み延期、キャンセルとなった」。そして「となると、新型コロナウイルス問題に収束の見通しが立たない中M&Aによる人材育成事業の拡充は重荷になるのではないか」とする問いかけに、こう答えている。「ポスト・コロナという点で新たに開始した取り組みが良好なスタートを切っている」。

 新たな取り組みとは、4月に開始した人材育成事業の「ビジネスマスターズ」を指している。パソコン・スマホ・タブレット等のモバイルツールを活かした、短時間のオンライン講座など自立学習サービス。「5月末時点で、1710本の研修動画が定額見放題で提供している」という。

 確かに人材育成事業だけでなく、人材紹介事業でも企業側・転職者側ともリモートに抵抗感がない状況が醸成されている。そこにヒューマンHDのコンサルタントもリモートで参加する。時の流れに沿った施策といえる。

 大幅増収・大幅営業減益が、「先々に備えた投資」なのかどうか見定めたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワードメンタルヘルス新型コロナウイルスヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス

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