香港進出の日本企業、36.7%が拠点の見直し検討 新型コロナ・安全維持法で

2020年7月20日 07:54

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 香港のビジネス環境が厳しい。日本貿易振興機構(ジェトロ)は14日、香港に進出する日本企業に行ったアンケート調査の結果を公表した。1~3月の最悪期は脱した兆しはあるものの、業績が悪化している企業の割合は依然高い数値だ。

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 香港は新型コロナウイルス感染拡大や香港国家安全維持法などのリスクを抱える。撤退や縮小など、香港に進出している日本企業の36.7%は香港拠点の見直しを検討しているようだ。

■DIは改善傾向

 DIの動向
 ・2020年1~3月期 マイナス56.7
 ・2020年4~6月期 マイナス25.5
 ・2020年7~9月期 マイナス10.3(見通し)

 DIとは景況感を示す指標で、業績が「改善」と回答した企業の割合から「悪化」および「大幅悪化」と回答した企業の割合を差し引いた数値だ。4~6月期は前期より30ポイント以上も改善し、7~9月期も改善が続く見通しだが、以前マイナスのままだ。

■業績改善傾向も、約半数が前期より悪化

 2020年4~6月期の業績動向
 ・前期より改善 22.6%
 ・横ばい 29.3%
 ・前期より悪化 34.2%
 ・前期より大幅悪化 13.9%

 景況感のマイナス幅は縮小傾向だが、楽観はできない。4~6月期の業績が前期より悪化したと回答した企業は48.1%だ。約半数の企業は景況感が最悪だった1~3月期よりも業績が悪化したことになる。

■安全維持法と出入境制限に懸念

 香港国家安全維持法への懸念
 ・大いに懸念している 32.7%
 ・懸念している 48.7%
 ・あまり懸念していない 12.7%
 ・全く懸念していない 1.0%

 新型コロナウイルスへの防疫対策に伴う日常業務上の懸念
 ・香港の出入境制限 96.1%
 ・日本の出入国制限 83.9%
 ・顧客訪問等営業活動の制限 61.5%

 全体の8割が香港国家安全維持法の制定を懸念しているようだ。情報への制限や法の支配が失われることを心配する声が多い。

 また、香港は新型コロナウイルス感染拡大に伴い出入境を制限しており、ほとんどの企業が出入境制限に対して懸念を示しているようだ。

■36.7%が香港拠点の見直し検討 移管先は中国本土やシンガポールなど

 香港拠点の今後の活用方針
 ・撤退 1.3%
 ・規模縮小 9.6%
 ・機能の見直し 3.6%
 ・今後検討する可能性あり 22.2%
 ・これまでと変わらない 35.1%

 香港拠点の活用方針では、35.1%の企業は「これまでと変わらない」と回答した一方、「撤退」や「規模縮小」、「機能の見直し」「今後検討する可能性あり」など、ネガティブな回答をした企業が36.7%に上った。

 事業の移管先の候補には中国本土、シンガポール、東南アジア、日本をあげた企業が見られた。(記事:ファイナンシャルプランナー・若山卓也・記事一覧を見る

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