レオパレス21、20年3月期決算が決めた命運 自力再建黄信号でスポンサーはいるのか?

2020年7月10日 07:14

印刷

 6月5日に公表されたレオパレス21の20年3月期決算は、連結売上が4335億円(対前期比716億円減)、純損益が802億円の赤字だった。ちなみに19年3月期の売上は5052億円(同256億円減)、純損益が686億円の赤字だった。

【こちらも】レオパレス21、施工不備等の影響で通期の純損失はリーマンショック時を上回る802億円に

 19年3月期の損益には、施工不備問題の発覚による補修工事費用、空室損失引当金、自社アパート売却による減損損失の合計額、720億円が特別損失として計上されているので、20年3月期決算は財務内容の悪化が顕著に進んだことを示している。

 施工不備が発覚してから始めた補修工事は19年1月末で完了する計画だったが、期日到来時点の進捗率が30%台に止まり、スタートダッシュを逸した。レオパレス21に注目が集まっているうちに、TATERUで書類の改ざんに係わる事例が指摘され、大和ハウスでは建築基準に対する不適合問題が公表されるなど、賃貸住宅建設に係わる後ろ向きの話題が続々と提供されていた。

 レオパレス21がそれらの事例をどう受け止めていたのかは別にして、結果としては本気で補修工事に取り組んでいたのかどうかすら、疑われる状況だ。コロナ過が原因で工事が進まなくなったのは20年になってからのことなので、補修工事が遅れた原因にはなり得ない。

 補修工事が進まないため入居も順調には進まず、5月には入居率が損益分岐点といわれる80%を割り込んで(79.9%)しまう惨状に陥った。このため、18年12月末に35.2%の自己資本比率を誇り、事業継続に何ら支障はないとしていた企業が、5月の自己資金比率は0.7%まで低下する有様で、債務超過すら懸念される状況にある。いよいよ切羽詰まってしまった。

 もはや自力で再建することが困難なレオパレス21に、OYO(オヨ・ホテルズ・アンド・ホームズ)が関心を示していると伝えられたのは19年の秋だった。

 ソフトバンクグループ(SBG)を主宰し、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を運営する孫正義氏が、SVFを通じて多額の出資をしていることで名前を知られた企業だったが、計画が具体化する寸前に米ウィーワークを巡る多額の損失が表面化したことで実現に至らなかった。20年3月期のSBGの惨憺たる決算状況を目にすると、レオパレス21の買収を見送ったOYOとSGBには、多少の「運」が残っていたのかも知れない。

 郊外型家電量販チェーンを展開し、10月には「ヤマダ電機」から「ヤマダホールディングス」に社名変更を行うヤマダ電機が、レオパレス21の過半数の株式取得を検討していると伝えられている。19年12月に大塚家具を買収したヤマダ電機にとって、レオパレス21のアパートに家電と家具をセットにしてユーザーに提供できるメリットは大きく、住宅や不動産のウエイトを高めつつある事業の方向性との整合性も高い。

 どんな結末を見るにしても、レオパレス21の選択肢と残された時間は限られている。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事