塩野義薬、東芝、日本製鉄など/本日の注目個別銘柄

2020年6月22日 16:56

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記事提供元:フィスコ


<4507> 塩野義薬 7087 +150大幅続伸。日本大学教授らが作ったウイルス検査において、月内に同社と量産に向け検査キットの開発でライセンス契約を締結と報じられた。検査キットが実用化すれば、専門技師や検出器を使わず、30分程度で新型コロナウイルスを判定する検査法が確立することになる。今秋の実用化を目指すという。来夏の東京五輪開催も控え、引き続き、ウイルス検査の大規模化、迅速化が急がれる中、製品開発への期待感が高まる形に。

<6376> 日機装 1053 +61大幅反発。深紫外線LED応用製品が好調と一部で報じられている。1月末に発売した空間除菌消臭装置「エアロピュア」は、新型コロナウイルスへの有効性が確認された直後から問い合わせが急増しており、納入は2-3カ月待ちとなっているもよう。また、アルコール製剤不足で需要が高まっているオゾン水手洗い装置「ハンドレックス」も増産の方針。目先の業績インパクトなどが期待される形になっているもよう。

<9603> H.I.S. 1890 -18反落。先週末に上半期業績の下方修正を発表している。営業損益は従来の24億円の黒字から14億円の赤字に減額している。外出自粛や入国制限による旅行需要の低下によって、旅行・ホテル・ハウステンボス事業などが大きく影響を受けたようだ。修正幅は想定の範囲内とみられるものの、海外旅行取扱高の回復は現状では見通せず、通期予想も今回は修正を行っていないことから、あく抜け感にはつながる形となっていない。

<6502> 東芝 3425 +160大幅続伸。約40%保有している半導体メモリー大手キオクシアHDの株式を段階的に売却する方針を固めたと伝わっている。キオクシアHDは10月をめどに上場を目指しており、株式売却は上場後となるもよう。売却株数などは未定だが、時価総額は数兆円規模になるともされ、相応の売却益は期待される状況に。半導体事業のウェイト低下による収益構造の安定化に加え、売却益を原資とした株主還元の充実などを期待する動き先行。

<5401> 日本製鉄 1077.0 +9.0反発。大和証券では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価を1700円に設定した。大規模な構造改革に伴う固定費負担の大幅削減、高付加価値分野への経営資源集中、紐付き鋼材価格引き上げの動き、鋼材需要の底打ち期待などを高炉セクターの注目ポイントと分析。なかでも同社は、構造改革と紐付き価格の引き上げに向け業界をリードしており、収益性改善による経営が大きく変化している点が注目との見方をしている。

<4996> クミアイ化 1003 +113急騰。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は49.7億円で前年同期比11.3%減益となった。2ケタ減益ではあるものの、従来計画の42億円は大きく上振れて着地している。通期計画80億円、前期比4.7%増は据え置き、過度な下振れ懸念は後退の格好にも。また、米ゴーワン社との間で、殺菌剤ペンシクロンの日本国内における独占販売契約を締結したとも発表、業績寄与への期待も高まる形に。

<6298> ワイエイシイ 562 +80ストップ高。ナノウェーブがLEDを使って細菌やウイルスを分解する空気清浄機を開発と報じられており、同社は40畳用の製品を製造とされている。家電量販店などで初年度10万台の販売を目指すもよう。同清浄機は光の出力を強め、触媒の表面積を広げることで除菌力を高めているようだ。新型コロナウイルスの感染防止ニーズは今後も高水準が続くとみられ、業績への寄与を期待する動きが先行。

<4187> 大有機化 2204 +209急騰。先週末に上半期業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来予想の18.8億円から23.8億円、前年同期比35.1%増にまで増額している。中間期配当金も従来の20円から23円に引き上げ。半導体材料を中心に電子材料事業の販売が好調に推移したことが業績上振れの背景。第1四半期の水準と比較してみても、増益率は拡大する形に。通期計画は据え置いているものの、上振れ期待を織り込む動きが先行している。

<6779> 日電波 380 -28大幅反落。先週末に20年3月期決算を発表。営業損益は82.9億円の赤字となり、従来計画64億円を上回る赤字幅となった。車載市場向けの落ち込みが予想されることで、水晶振動子、水晶機器の生産を行う古川NDKや中国グループ会社の製造設備などについて減損約20億円を計上し、財務体質のさらなる悪化などが警戒された。なお、中期計画も発表、22年度売上高420億円、営業利益率7%などの目標値を掲げている。《US》

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