15日の中国本土市場概況:上海総合1.0%安で4日続落、新型コロナ感染「第2波」警戒

2020年6月15日 16:57

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記事提供元:フィスコ


*16:57JST 15日の中国本土市場概況:上海総合1.0%安で4日続落、新型コロナ感染「第2波」警戒
週明け15日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比29.71ポイント(1.02%)安の2890.03ポイントと4日続落している(上海A株指数は1.02%安の3029.24ポイント)。心理的節目の2900ポイントを割り込んで引けるのは、5月29日以来となる。

新型コロナウイルス感染拡大「第2波」を警戒する流れ。北京市政府は14日の記者会見で、新たに44人の新型コロナ感染を確認したと報告し、「非常時に入った」と宣言した。集団感染となった発生源の市場は閉鎖され、近隣の学校は休校、外出制限が実施されている。北京市では2カ月近く新規感染が確認されていなかった。中国経済の回復伸び悩みも懸念。取引時間中に公表された今年5月の経済統計では、小売売上高や鉱工業生産が前月からやや改善したものの、予想ほどではなかった。

中国の経済対策に対する期待感が根強いなか、指数は一時プラス圏に浮上したものの、買いの勢いは続かず、後場に入り下げ幅を広げている。

金融株が下げを主導。招商銀行(600036/SH)が2.7%安、中国人寿保険(601628/SH)が2.6%安で取引を終えた。食品飲料株の一角も安い。高級白酒(中国の蒸留酒)メーカー大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が2.4%下落した。ハイテク株もさえない。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が5.6%安と続落した。エネルギー株、自動車株、空運株、発電株なども売られている。

半面、医薬品株は高い。抗生物質や原薬などの華北製薬(600812/SH)と抗生物質メーカーの山東魯抗医薬(600789/SH)がそろってストップ高で引けた。テレワーク関連株もしっかり。総合ネットサービス企業の鵬博士電信伝媒集団(600804/SH)が5.2%上昇した。

「地攤(露店、屋台)経済」や「夜間経済(ナイトエコノミー)」の関連銘柄も物色される。老舗小売グループの王府井集団(600859/SH)が先週に続きストップ高、スーパーマーケットチェーンの上海百聯集団(600827/SH)が6.8%高で終了した。王府井集団に関しては、免税品小売の事業免許を財政部から取得したことも引き続き材料視されている。同社株は連日で上場来高値を更新した。

一方、外貨建てB株相場は値下がり。上海B株指数が0.44ポイント(0.21%)安の207.00ポイント、深センB株指数が1.11ポイント(0.13%)安の856.95ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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