来週の相場で注目すべき3つのポイント:コロナ2次感染状況、中国および米国経済指標、日銀金融政策決定会合

2020年6月13日 18:45

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記事提供元:フィスコ


*18:45JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:コロナ2次感染状況、中国および米国経済指標、日銀金融政策決定会合
■株式相場見通し

予想レンジ:上限23000-下限21500円

来週の日経平均は落ち着きどころを探る展開となりそうだ。日米株式市場ともに前週は週後半にかけて波乱の展開となった。米国では新型コロナウイルスの2次感染が広がっていることが懸念されて、V字回復期待が後退しリスクオフの展開に転じた。パウエルFRB議長は10日、新型コロナウイルスの感染拡大により労働市場が回復するまで景気刺激策を継続する意向を示したが、経済回復が遅れるとの懸念が増す形となった。

東京市場では、相場の下支え要因として働いていた為替の円安が円高傾向に変化したほか、12日のメジャーSQに向けての買い戻しが一巡して、需給面でも転換期を迎えた。また、日経平均はテクニカル的にみても、累積売買代金が多く利益確定売りが出やすい価格帯である23000円台を回復したことで、一段の上値追いにブレーキがかかりやすい。米国などでの感染第2波拡大の懸念が抑えられるかが、ここからの相場センチメントを大きく左右してこよう。

このほか、11月の米国大統領選挙への影響も警戒される。一方、15日から2日間の日程で日銀金融政策決定会合が予定されているが、相場に対してネガティブな材料が出てくることは予想されていない。15日に中国、16日に米国の5月小売売上高の発表があるものの、米雇用統計、FOMC、メジャーSQといった金融・相場イベントを通過し、スケジュール面で見た波乱要因はここからは少ない。新型コロナウイルスの感染拡大について都民に警戒を呼び掛ける「東京アラート」が11日に解除され、日経平均は下値抵抗力を試す展開に転じてくることになりそうだ。


■為替市場見通し

来週のドル・円は上げ渋る展開か。米連邦準備制度理事会(FRB)による「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)」導入への市場の思惑は後退していないことから、ドル売り圧力が弱まる可能性は低いとみられる。今週発表予定の米経済指標が市場予想を上回った場合、リスク回避的なドル売りは縮小するものの、新型コロナウイルス「第2波」への警戒がドルの戻りを抑制するとみられる。


FRBは6月9-10日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きや資産買入れのペースを維持することを決定した。また、FOMCの金利見通しでは2022年末まで政策金利を据え置く計画であることが提示された。YCC導入に関しては、次回のFOMC会合でも議論を継続するとみられている。FOMCメンバー内でも、低金利を維持しながら消費のテコ入れなどにYCCは有効との意見もあり、市場では年後半の導入が有力視されている。5月の米雇用統計は想定外の大幅改善をみせたが、パウエルFRB議長は10日に行われた記者会見で、雇用情勢の回復に関し引き続き厳しい見方を示した。市場観測を反映して米長期金利は低下しており、ドルの先安観が台頭しつつある。


■来週の注目スケジュール

6月15日(月):日・日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日目) 、中・鉱工業生産(5月)、中・小売売上高(5月)、中・固定資産投資(都市部)(5月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(6月)など
6月16日(火):日・日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目)、米・小売売上高(5月)、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の半年に1度の議会証言(上院銀行委員会)など
6月17日(水):日・貿易収支(5月)、米・住宅着工件数(5月)など
6月18日(木):米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(6月)など
6月19日(金):米・経常収支(1-3月)など


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