パンチ工業は小幅続落も今期V字回復業績を積極中期計画がフォローして再騰含み

2020年6月11日 08:33

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 パンチ工業<6165>(東1)は、前日10日に2円安の442円と小幅続落して引けた。日経平均株価が、2万3000円台を出没して方向感が乏しくなったことから、今年4月8日の年初来安値294円から大幅に底上げした同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ下げ幅は限定的で、今2021年3月期利益のV字回復や、新たに策定した中期経営計画でも来2022年3月期業績の高成長が目標とされたことを手掛かりに割り負け訂正買いが交錯し、再騰含みとなった。テクニカル的にも、25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化させており、サポート材料視されている。

■3Q以降に生産活動が正常化し減損損失一巡で純利益は大幅黒字転換

 同社の今2021年3月期業績は、売り上げが331億円(前期比6.4%減)と小幅続落となるが、営業利益は12億円(同43.6%増)、経常利益は11億円(同54.3%増)とV字回復し、純利益は6億2000万円(前期は34億8500万円の赤字)と大幅黒字転換が予想されている。売り上げは、米中貿易摩擦の長期化や新型コロナウイルス感染症の拡大で、国内・中国などの世界の工場生産活動が停止し、この影響は今期第2四半期(2Q)末まで続き、第3四半期(3Q)以降には感染拡大前の水準に回復するとして小幅連続減収を見込んだ。しかし利益面では、工場別の特色を活かした生産体制と研究開発による工数削減・新工法確立などのグローバル生産体制の最適化やR&Dの強化によって引き続き原価率が改善し、販管費を抑制することによってV字回復する。純利益は、前期に計上したベトナム工場やマレーシア子会社の減損損失が一巡して大幅黒字転換する。

 中期経営計画では、次期2022年3月期業績として売り上げを361億円と今期予想比9.0%増と増収転換し、営業利益は18億円と同50%増と高成長を目標としている。国内では顧客ニーズ対応の商品開発や受発注システムの改善を進め、中国では新分野顧客とのパートナーシップを強化し、カタログ品と特注品の国内外生産体制を最適化、増収効果と原価率の改善が相乗して高成長する。

■GC示現でPBR0.8倍の割り負け修正を強め2019年高値も視界

 株価は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安と同社の前期業績の再下方修正が重なって年初来安値294円まで売られ、中国・武漢市の都市封鎖(ロックダウン)が解除され中国の生産活動が徐々に正常化したことで底上げし、今期業績のV字回復予想で476円の戻り高値まで6割高した。この間、25日線と75日線が交錯するGCを示現して上昇トレンド転換を強く示唆した。PERは15倍台だが、PBRは0.82倍と割り負け顕著となっており、まず年初来高値528円を奪回し、2019年11月高値612円を通過点に2019年4月高値709円へキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【特集】第2、第3のテレワーク関連株に注目、仮想デスクトップ・テレビ会議関連など(2020/02/03)
【株式評論家の視点】昭栄薬品はオレオケミカルの専門商社、自社株買い実施に光通信が保有(2020/01/09)
【株式評論家の視点】北の達人コーポは「刺す化粧品-ディープパッチシリーズ」が大ヒット、700円割れが下値として意識(2020/01/16)
【ブロックチェーン・STO関連銘柄特集】新たな金融サービスの広がりに期待(2019/12/11)
【株式評論家の視点】プレナスは通期業績予想を据え置き、配当利回り3%(2020/01/18)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事