PERのリスクを学ぼう

2020年5月28日 16:26

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■シンプルだが奥が深いPER

 投資対象の銘柄が「割高」か「割安」かを判断するための指標として最もよく使われているのが、PERである。一般的にPERが高いほど「割高」であり、低いほど「割安」であると判断できる。投資初心者もベテランも、PERは必ずチェックしているという人は多いのではないだろうか。

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 PERはPrice Earnings Ratio、訳して「株価収益率」という名称で呼ばれている。一般的にはPERが15倍以下であれば割安といわれる。20倍を超えると割高であると考える投資家が多い。

 PERは株価÷1株あたり純利益(以下EPS)で求めることができる。株価が2,000円でEPSが200円の企業があったとすれば、その企業のPERは10倍である。今の株価がEPSの何倍あるか、つまりEPSだけで投資資金を回収するのに10年を要する、という見方をすることもできる。

 しかしPERだけで割安、割高を判断することにはリスクがあるのだ。

■PERはあくまで目安である

 ここで注意してほしいのは、上の計算式にあるEPSは予想EPSであるという点だ。

 予想EPSとは企業が通期決算などで発表する「来年度の純利益」を発行株式総数で除して求めたものである。あくまで予想の数値を使っているのだ。

 企業の業績予想は、大きくずれることはそう多くないが、例えば現在であればコロナウイルス感染拡大による影響により企業の業績見通しは非常に不透明となるなど、この予想純利益がどう変化するかは実際には分からない。

 もし上に挙げた企業が株価2,000円のままだとする。この企業が期中で予想純利益を下方修正して、EPSが100円になったとするとPERは一気に20倍に跳ね上がる。EPSが200円のままならPER10倍と一般的には割安であると考えられた企業が、突如としてPER20倍の、一般的に割高と見られる企業となってしまうのだ。

■PER以外にも見てほしい2つの指標

 PERだけで投資判断をするのではなく、その企業の将来性を十分に考慮しよう。企業の将来性を測るのに有効な手段は以下の通りである。

 (1)EPS(実績ベース)が成長し続けているか?
 (2)営業キャッシュフローマージンは10%を超えているか?

 (1)については決算書や企業のIRサイトですぐに確認ができる。年度毎のEPSが前年度と比べて増加し続けているか?を確認してほしい。

 企業が発行する株に対してどれだけの利益を出しているか、という投資家にとって大切な指標だ。EPSが安定しない企業は要注意だ。そういった企業は安定した成長を見込まれておらず、株価が下がりPERも低いまま放置されることが多い。投資初心者はこのような銘柄を「割安だ!」と思って買ってしまい損をするのだ。

 (2)については売上高÷営業キャッシュフローという計算式で求められる。売上高の何%分の営業キャッシュフローを稼ぐことができたかを測定できる。

 実際の現金の出入りであるキャッシュは、誤魔化しのきかない正確な数値であるので、営業キャッシュフローマージンはより正確に企業の稼ぐ力を測ることが可能だ。日本における営業キャッシュフローマージンの平均値は10%前後であり、この平均値を上回っているかどうか、ぜひ見てほしい。

 上記以外にも様々な投資指標、判断基準が存在する。また機会があれば紹介したい。

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