今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門~広がりをみせるESG投資~

2020年2月27日 08:58

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記事提供元:フィスコ


*08:58JST 今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門~広がりをみせるESG投資~
最近、メディアなどで多く見かけるようになった「ESG投資」ですが、一体どのようなものかしっかりと説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。

まず、ESG投資とは、企業における環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に関する情報を考慮した投資活動のことを指します。ESGを意識した企業活動として具体的なものとしては、企業間で広がる海洋プラスチックごみ(廃プラ)への対応をはじめとした炭素効率への配慮や女性活躍の推進、投資家向け広報(IR)の充実など様々なものが挙げられます。

ESG投資自体は、先んじて欧米を中心に広く浸透しておりましたが、日本国内での普及には時間を要しておりました。認知度や関心自体は高まりつつあったものの、実際の投資活動に落とし込む際に財務的なリターンや数値化しにくい点などがネックになっていたからです。

そんななか、2017年に国内における最大の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、中長期的なリスク管理の観点からのESGを投資対象と捉えて参入したのをきっかけとして、国内で話題に上がりました。近年、世界各国の機関投資家が続々と資金を投じており、その投資残高は急速な拡大をみせています。国際団体GSIAによると、2018年時点の世界のESG投資残高は約31兆ドルにも上りました。

世界中から投資資金が集まるなか、昨今では、ESGを意識した投資について、財務リターンが高いうえに投資リスクは小さいという研究結果が、徐々に大学や各種研究機関の間でも広がるようになりました。企業責任を全うしながら事業を行う企業へ投資をする行為そのものが社会的に意義のあることとして意識されるようになり、ESGをテーマにした投資信託も着々と増えています。

また、金融庁が今春に改定する機関投資家の行動指針(スチュワードシップ・コード)として、ESG投資を重視する内容が初めて明記されることにもなりました。足元のESG投資への関心の高まりを背景に、単なる価値観の一つではなく、企業価値の向上に欠かせない要素として認識され始めているといっても過言ではないでしょう。これらを踏まえると、機関投資家だけでなく、個人投資家にとってもESG投資の観点は決して無視できない要素ともいえます。今後ご自身の投資対象先を見定める際、業績や財務情報だけでなく、企業としてのESGの側面も気にしておく必要は増えてくるでしょう。


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「今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門」は、フィスコ所属アナリストによる独自の見解でコメントしています。《SK》

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