不登校は勇気ある行動である 親がとるべき行動は

2020年2月19日 07:01

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 子どもが不登校になると親は多かれ少なかれショックを受けるだろう。中には無理に学校へ行かせて不登校であることをなかったことにしようとする親もいるが、それは間違った対応と言える。

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 子どもにとって周囲から離脱し不登校を選ぶというのは、相当な勇気やストレスがないとできない。親がすべきは子どもの回復を信じ、不登校の原因は何なのかを一緒に考えていくことなのである。

■子どもはサボりたくて不登校になるのではない

 不登校というのは、子どもが限界に達しているというサインである。たとえ学校でいじめがあっても、学校を拒否し周囲から離脱し、自ら自分を守る行動を取るというのは相当な勇気が必要である。その行動を親が無理に学校へ行かせようとするのは、子どもの勇気を否定しているのと同様である。

 不登校の子どもは学校を休んでいる間、一日中ゲームをしていたり昼夜逆転していたりすることがある。その様子を見ると子どもは勉強をしたくないから、ダラダラしたいから学校を休んでいるのではないかと親は不安になるかもしれない。

 しかし「自分が不登校である」ということは、子ども本人にとっても受け入れがたいことなのだ。そうした罪悪感を誤魔化すために、ゲームや漫画などで気を紛らわしているということが原因と考えられる。

■不登校で心配すべきは学力や進学ではない

 親にとって不登校の心配は、勉強についていけなくなることや、進学できなくなるのではないか、ということが多い。しかし、ここに子ども本人の気持ちとの乖離がある。

 子ども自身は不登校の間、「自分は生きていても仕方がないのではないか」と感じている場合も多い。親がまず心配すべきは「子どもが何にそこまで悩んでいるのか」なのである。

■再登校の判断は子どもに任せる

 不登校の原因が解決し子どもの気力が回復してきたとする。しかし気力がある程度持ち直したからといって、すぐに登校できるわけでない。不登校を選ぶのに勇気がいるように、再登校に踏み切るのもまた子どもにとって勇気がいるのである。回復してきたのであれば、大事な判断は子どもに自身に任せるべきである。

 子どもに登校時期を決めさせるのは、自信や絆を強めるチャンスとも言える。不登校という大きな問題に自ら終止符を打てたという自信がつく。そして、それを親は信じて待っていてくれたという安心感を子どもは抱くからだ。

 そうすれば、その後に当たるであろう成績や進学の問題は、不登校に比べれば、何でもないものになっているはずである。(記事:双風サキ・記事一覧を見る

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