信越化、アンリツ、郵船など/本日の注目個別銘柄

2020年1月29日 15:36

印刷

記事提供元:フィスコ


<4063> 信越化 12515 +230反発。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は3187億円で前年同期比1.8%減益となった。10-12月期は1082億円で同6.2%減益、塩ビ化成品の落ち込みで減益となったが、市場予想はやや上回る着地であった。底堅い決算受けて買い先行も、10-12月期業界ウエハ出荷は前四半期比で3%減と示しており、半導体ウエハの市場環境はやや期待値を下回る状況と捉えられる形から、上値は限定的ともなっている。

<6754> アンリツ 2055 -95大幅続落。米ザイリンクスの株価が時間外取引で急落し、警戒材料につながったもよう。ザイリンクスは通常取引終了後に10-12月期決算を発表、ファーウェイへの輸出規制による影響、データセンター向け販売の伸び減速などで、売上高は市場予想を下回った。また、1-3月期売上見通しもレンジ上限が市場予想を下回る。5G関連と位置付けられる銘柄であることから、国内5G関連の同社にも警戒感が波及する形へ。

<6807> 航空電子 2067 -75大幅続落。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は39.3億円で前年同期比35.8%減益、市場予想を10億円程度下回ったとみられる。第2四半期決算発表以降、スマホ向けを中心とした業績拡大期待が高まっていたなか、失望感が優勢となっているようだ。主要顧客向けが伸び悩んだもよう。また、グループ再編に関する思惑の反動なども株価下落の一因とみられる。

<9101> 郵船 1830 +57大幅反発。10-12月期経常利益は200億円程度になったもようとの観測報道が伝わっている。前年同期比3.5倍の水準で、四半期ベースではほぼ3年ぶりの高い水準となるようだ。市場予想も100億円近く上回る状況に。統合したコンテナ船事業の収益回復、原油タンカーの運航料上昇などが大幅増益の背景のもよう。中国景気減速のマイナス影響が懸念されていた中、想定外の上振れ観測にポジティブなインパクトが先行。

<4549> 栄研化 2188 -49続落。前日に第3四半期決算を発表、累計営業益は43.5億円で前年同期比1.7%増、通期予想は従来の36.0億円から43.5億円に上方修正した。海外向け売上好調推移が業績上振れの主因。期末配当金予想も14円から17円に引き上げた。ただ、上半期は30.4億円で同19.6%増であったことから、10-12月期の収益成長は鈍化の形。大幅上方修正も視野に入っていたとみられ、出尽くし感が優勢になった。

<4829> 日本エンター 253 +11大幅続伸。子会社プロモートが開発した大規模キッティングベンダー向けRPAツール「Kitting-One」において、ドコモCSとライセンスの年間契約を締結したと発表。同ツールは、企業がスマホやタブレット、PCなどの導入時に必要なアプリケーションのインストールや社内ネットワークへの設定など、すぐにユーザーが利用できるよう初期設定を行うもの。業績寄与や実績積み上げによる今後の展開への期待が先行。

<9519> レノバ 1315 +60急伸。週初には岡三証券がレーティング「強気」、目標株価1650円でカバレッジを開始している。秋田県由利本荘市沖の大型洋上風力発電所の開発がカタリストとして挙げられるが、それ以外にも太陽光およびバイオマス発電所の新規稼働による収益拡大が期待できるとしている。前日に昨年11-12月の上値抵抗線を突破して上値妙味が出ており、景気敏感株の上値追いが手控えられているなか、短期資金の関心も集まる状況に。

<2413> エムスリー 3235 +85反発。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は269億円で前年同期比17.3%増、10-12月期も104億円、同14.3%増と四半期ベースでの2ケタ増益基調が続いている。実績値は市場コンセンサス並みの水準ではあるが、主力のメディカルプラットフォーム事業の利益成長が加速していること、MP事業の先行指標となる製薬マーケティング支援の受注金額も拡大していることなどで、ポジティブな反応に。

<4684> オービック 14570 -790大幅続落。前日に第3四半期決算を発表。累計営業益は326億円で前年同期比14.2%増となった。一方、10-12月期は109億円で同9.9%増、4-6月期、7-9月期と2ケタ増益が続いたが、やや増益率は鈍化し、コンセンサスもやや下回った。高い決算期待が反映されていたこともあり、利食い売りのきっかけと捉えられた。140円から160円の増配も発表したが、こちらも想定線とみられているもよう。

<6755> 富士通ゼ 2471 -34大幅続落。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は53.4億円で前年同期比42.4%増益となったが、10-12月期は9億円の赤字でほぼ前年同期並みの水準にとどまり、市場予想もやや下回っている。買収効果などで売上高は大きく伸長したものの、為替のマイナス影響が大きかったもよう。株価が高値圏にあるなか、想定以上の為替の影響を懸念視する動きが優勢となってきている。《US》

関連記事