地球誕生直後の42億年前には地球に磁場が存在か 産総研の研究

2020年1月23日 14:56

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 ジルコン結晶(左、ロチェスター大学John Tarduno教授提供)と、SQUID磁気顕微鏡(右)の写真(画像: 産業技術総合研究所の発表資料より)

ジルコン結晶(左、ロチェスター大学John Tarduno教授提供)と、SQUID磁気顕微鏡(右)の写真(画像: 産業技術総合研究所の発表資料より)[写真拡大]

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 産業技術総合研究所(産総研)は21日、42億年以上前に、既に地球に磁場が存在していたことを示唆する証拠を見出したと発表した。地球誕生は今からおよそ46億年前のことであり、それからわずか2億年が経過した時代のオーストラリアのジャックヒルズの地層で発見されたジルコン結晶が、当時の地球磁場を記録している可能性が高いというデータが産総研によって示されたのである。

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 ジルコンとはケイ酸塩鉱物の一種でZrSiO4に近い化学組成を有しており、火成岩中に微小な結晶として分布しているもので、オーストラリアのジャックヒルズで見つかったものは地球最古の鉱物とされている。

 産総研ではこのジルコン結晶について、走査型SQUID磁気顕微鏡を用いて磁気マッピングを行い、この証拠を突き止めた。SQUIDとは、超電導量子干渉素子を意味し、微小な測定物の微弱な表面磁気分布の精密な測定を可能にしている。

 過去にもこのジャックヒルズで発見されたジルコン鉱物の磁気分析が試みられたことはあったが、ジルコン形成後の熱による変質が疑われ、当時の磁場状態の保存に対する信頼性については疑問符がついていた。

 つまり、地球誕生後以降のあらゆる年代における熱による変質が、ジルコン鉱物で起きていた可能性を排除することで、ジャックヒルズの最古の鉱物が地球誕生直後の磁気状態を保存出来ている可能性を確実にすることにつながる。

 地球の歴史上、大きな熱による変質の可能性があった時代は、今から26.5億年前のことである。その当時に上昇したと考えられる温度でジルコン鉱物の磁気特性が変質を受けないことが確認出来れば、40ないし44億年前に形成されたジルコン鉱物が、地球誕生直後の磁気の状態を保存していることの確証となる。

 産総研の研究チームは、ジャックヒルズの最古のジルコン鉱物において565度から580度で分離出来る自然残留磁化の観察を行い、この温度で地球磁場の記録は影響を受けないことを確認したのである。

 地球磁場の存在が、生命誕生に大きく寄与していたことは、科学者以外の一般人にはあまり知られていない。だがもし、地球に磁場が存在していなかったら、地球上の大気は太陽風にさらされ、宇宙空間に散逸していたことだろう。

 地球上の磁場は太陽風の影響を食い止め、大気を地球にとどめおくのに大きく寄与してきたのだ。ちなみに火星には地球ほど強力な磁場が存在していないため、地球と比べて大気は非常に希薄なものとなってしまっている。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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