金価格、史上最高値水準になっている背景~もっと知りたい商品先物取引

2020年1月14日 12:06

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記事提供元:フィスコ


*12:06JST 金価格、史上最高値水準になっている背景~もっと知りたい商品先物取引
みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。足元で金価格が上昇しています。その背景について今回はご説明していきます。

■金価格は右肩上がり
東京商品取引所(TOCOM)の先物市場にて、金価格(先限)は2019年12月10日の安値5,090円(1グラムあたり)を起点に、1月6日の5,483円まで右肩上がりの状況です。もともと2019年6月頃から金価格は上昇基調にありましたが、昨年末以降、複数回にわたり上場来最高値を更新しています。

■金価格は有事に資金が向かいやすい
ここで、金価格の上昇要因をおさらいしましょう。金は「有事の金」という言葉があるように、地政学的リスクが高まった時に資金が向かいやすい傾向があります。金の資産価値は過去をさかのぼっても、他の投資対象に比べて安定しているので、リスクのヘッジ先として注目されやすいのです。

■イランと米国の対立が金価格の上昇要因に
最近の有事といえば、イランと米国の対立です。みなさんもニュースでご覧になったかと思います。米国がイラン革命防衛隊の精鋭部隊の司令官ソレイマニ氏を殺害。イランの最高指導者のハメネイ氏はこれに対して「激しい報復」を宣言します。この宣言通り、イランはイラクの米軍基地にミサイルを発射しました。このように中東情勢の緊張が高まったことが、冒頭で説明した金価格上昇の大きな要因となりました。ただ報道によると、イランが復讐としてミサイルを発射した直後、イラン政府が米政権に対して自制を求める書簡を送っていたとのこと。米国がイランに反撃しなければ、イランは米国への攻撃を継続しないという内容で、米国に「理性的な行動」を要請していたと報道されています。今後も中東情勢に注目しながら金価格をウォッチしていきたいですね。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ《HT》

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