20日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で反発、不動産セクターに買い

2019年12月20日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 20日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で反発、不動産セクターに買い
20日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比70.86ポイント(0.25%)高の27871.35ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は44.34ポイント(0.40%)高の11030.23ポイントとそろって反発した。売買代金は934億1900万香港ドルに拡大している(19日は792億6500万香港ドル)。

米中通商合意の期待感が持続する流れ。ムニューシン米財務長官は昨夜、「第1段階」の通商合意は完了していると再び強調し、来年1月に米中両国が合意文書に署名すると述べた。また、中国の国務院関税税則委員会は19日、すでに実施している米製品に対する制裁関税のうち、第2陣の適用除外品目リストを発表。貿易摩擦が緩和に向かうと期待されている。

中国人民銀行(中央銀行)の資金供給もプラス。人民銀は20日、リバースレポを通じ1500億人民元を市中に供給した。今週18日、21営業日ぶりにレポを再開し、20日までの3日間で合計6300億人民元を供給している。朝方公表した実質的な政策金利「ローンプライムレート(LPR)」(毎月20日に公表)に関しては、予想通り1年物と5年物が前月水準に据え置かれた。ただ、年明けに預金準備率が引き下げられるとの観測は根強い。

ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が3.6%高、香港不動産リートの領展房地産投資信託基金(823/HK)と不動産投資会社の九龍倉置業地産投資(1997/HK)がそろって2.8%高と上げが目立った。領展房地産投資信託基金に関しては、シドニーでオフィスビルを購入したことが材料視される。初の海外進出となったことで、業容拡大の期待感が広がった。

業種別では、中国の不動産が高い。万科企業(2202/HK)と融創中国HD(1918/HK)が2.2%、旭輝(884/HK)がそろって2.2%、中国海外発展(688/HK)が2.1%、華潤置地(1109/HK)と世茂房地産HD(813/HK)がそろって1.5%ずつ上昇した。

医薬品セクターもしっかり。四環医薬HD集団(460/HK)が5.3%高、中国生物製薬(1177/HK)が1.5%高、中国中薬(570/HK)が1.4%高と値を上げた。

小売や食品飲料や小売の消費関連セクターも物色される。統一企業中国HD(220/HK)が2.7%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が1.7%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.0%高、聯華超市(980/HK)が1.6%高、北京京客隆商業集団(814/HK)が0.7%高で引けた。

半面、マカオのカジノ銘柄はさえない。銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.9%安、美高梅中国HD(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が1.6%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が1.1%安と値を下げた。また、マカオ系コングロマリットの信徳集団(シュンタク・ホールディングス:242/HK)が4.3%安と反落している。習近平・国家主席は20日、マカオ返還20周年の記念式典に出席。経済振興策に対しては明確に言及しなかった。

本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%安の3004.94ポイントで取引を終えた。ハイテク株が安い。発電株、食品・飲料株、医薬品株、資源・素材株の一角も売られた。半面、不動産株は高い。証券株や銀行株の一角も買われた。

【亜州IR】《FA》

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