17日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で反発、石薬4.2%上昇

2019年12月17日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 17日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で反発、石薬4.2%上昇
17日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比335.62ポイント(1.22%)高の27843.71ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が186.10ポイント(1.73%)高の10964.99ポイントとそろって反発した。ハンセン指数は約1カ月ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1053億4800万香港ドルに拡大した(16日は798億4000万香港ドル)。

米株高が追い風。米中による「第1段階」通商合意を好感し、昨夜のNYダウは過去最高値を更新した。米中貿易摩擦の緩和を通じ、世界経済の見通しも強気に転換すると期待されている。中国の政策期待も強まる状況。現地ブローカーは最新リポートで、2020年は市場金利の低下傾向が強まり、資本市場改革も進むと予測した。中国の四川省政府は年明け早々、特別地方債を発行する予定——などと報じられるなか、各種インフラ投資も加速するとみられている。

ハンセン指数の構成銘柄では、抗生物質・ビタミンC生産の石薬集団(1093/HK)が4.2%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.7%高、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.4%高、中国インターネットサービス最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.2%高、本土大手行の交通銀行(3328/HK)が2.8%高と上げが目立った。

業種別では、中国の金融が高い。上記した交通銀行のほか、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が3.5%、招商銀行(3968/HK)が3.1%、中信証券(6030/HK)が5.5%、海通証券(6837/HK)が5.1%、中国太平保険HD(966/HK)が2.2%ずつ上昇した。

ゼネコンやエンジニアリング、発電設備などインフラ関連セクターもしっかり。中国建築国際集団(3311/HK)が6.3%高、中国中鉄(390/HK)が4.0%高、中国冶金科工(1618/HK)が2.3%高、中聯重科(1157/HK)が2.0%高、東方電気(1072/HK)が3.1%高と値を上げた。

スマートフォンや5Gネットワークの関連銘柄も上昇。高偉電子(1415/HK)が6.2%高、瑞声科技HD(2018/HK)が1.9%高、中国鉄塔(788/HK)が4.8%高、京信通信系統HD(2342/HK)が4.1%高、中国通信服務(552/HK)が2.4%高で引けている。大手金融グループINGのエコノミストは、向こう5年にわたり、中国で5G関連産業の名目国内総生産(GDP)への貢献は平均3%に達すると試算した。関連業者の業績拡大が意識されている。

一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.27%高の3022.42ポイントで取引を終えた。金融株が相場をけん引。不動産株、インフラ関連株、空運株、資源・素材株、医薬品株、ハイテク株なども買われた。

【亜州IR】《FA》

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