東北大、グラフェンの新しい合成法開発 よりクリーンに 水素も同時生成

2019年12月11日 18:27

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今回開発された方法により合成されたグラフェンのSEM(走査型電子顕微鏡)像(画像: 東北大学の発表資料より)

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 グラフェンと呼ばれる炭素材料は、次世代の材料として様々な分野で実用化に向けた研究が進められている。しかし、その合成方法は化学的気相合成法(CVD)やシリコンカーバイド(SiC)分解法などに限定されていた。東北大学の研究グループは10日、グラフェンをよりクリーンな方法で合成することに成功したと発表した。

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 従来の合成方法であったCVD法やSiC分解法は高温の熱エネルギーを必要とするという課題があった。そこで東北大学の研究グループは、熱エネルギーに加えて電気エネルギーも併せて合成に利用する「水熱電解法」の利用を試みてきた。これまでも水熱電解法で結晶性の低い炭素材料が合成できることは知られてきたが、グラフェン合成への応用例は報告されていなかった。

 比較的低温で結晶性の高いグラフェンを得るために、研究グループは「亜臨界水」を溶媒として用いるアプローチを採用。「亜臨界水」というのは、臨界点よりやや低い温度、圧力下の状態にある水のことで、常温常圧の水よりも多量のイオンを含む。そのため、電気化学反応を促進する溶媒として有用である。

 亜臨界水中で酢酸を電気分解すると、白金電極上にグラフェンが合成されていることが電子顕微鏡による観察から確認された。同様の方法で、酢酸以外の有機物、例えばギ酸やエタノール、メタノールなどからもグラフェン合成が行えることも明らかになった。

 さらに重要なポイントとして、グラフェンの合成と同時に水素の発生が生じることが挙げられる。そのため、グラフェンの生産によって貴重なエネルギー源となり得る水素を取り出すことが可能になる。将来的にはバイオマス燃料や天然ガスなどから、高機能性のカーボンと水素エネルギーを低コストで固定化することにもつながる。

 再生可能エネルギーの普及など、SDGsに向けた動きが求められる中で、今回の研究成果はその大きな一歩として貢献することが期待される。

 本研究の成果は、11月18日付でCarbon誌のオンライン版に掲載されている。

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