水陸自在のムカデ、運動制御の仕組みを解明 ロボット工学への応用も 東北大ら

2019年12月5日 15:06

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歩行と遊泳の切り替えの様子(写真:東北大の発表資料より)

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 水中から陸上へと動物が移行したのが、約3億6,000万年前。魚類と四肢動物は水中と陸上に棲み分けするのが基本だが、異なる環境に応じて運動する動物も一部存在する。東北大学は3日、ムカデが水中と陸上での運動パターンの切り替えを制御するメカニズムを解明したと発表した。ロボット工学への応用が期待されるという。

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■環境に適応して運動を切り替える動物

 動物は、個別の環境の変化に応じて身体の運動パターンを切り替えることが可能だ。とくに陸上と水中という異なる環境下での運動制御は研究対象となっている。

 両生類のサンショウウオは、陸上では四本の脚で歩き、水中では脚を胴体側部に沿わせてヘビのように泳ぐことが可能だ。幅広い動物で同様の運動制御がみられる。このような運動制御(水陸両用ロコモーション)は脳からの運動指令の切り替えとして説明されてきたが、環境変化を動物がどう知覚し運動指令の切り替えに反映するかは謎だったという。

■環境変化を各部位で知覚

 東北大学、スイス連邦工科大学ローザンヌ校、オタワ大学、北海道大学の研究者から構成されるグループが注目したのが、トビズムカデだ。地上では複数の脚を使って歩き、水中では脚を折りたたんで泳げる。サンショウウオと比較し、身体構造が単純であることから、運動遷移の様子が観察しやすいという。

 研究グループは、トビズムカデの胴体中の神経を切断した際の行動変化などを詳しく観察し、運動制御メカニズムを定式化した。足先が地面につくと歩行の指令が伝わる等、脳からの指令だけでなく身体の各部位で歩行か遊泳かを選択できると仮定した。このモデルでシミュレーションした結果、トビズムカデの振る舞いを再現することに成功した。

 今回の成果が、ムカデ以外の多くの動物に共通する環境に応じた運動パターンの遷移メカニズム解明へとつながるという。またロボット工学においても、環境に応じて自在に動き回れるロボット実現が期待できるとしている。

 研究の詳細は、オンライン学術誌Scientific Reportsにて2日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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