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ジュズヒゲムシは2億7千万年前から姿をほとんど変えていない 北大などの研究
コーデルジュズヒゲムシのアルコール標本。(画像:北海道大学発表資料より)[写真拡大]
ジュズヒゲムシの仲間は朽木の樹皮の下の隙間で暮らす昆虫である。ほとんど種としての多様性を持たないのだが、その種の起源は約2億7,000万年前、つまり超大陸パンゲアが地球上に存在していた時代にまで遡ることを、北海道大学などの研究グループが突き止めた。
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昆虫というのは非常に種類の多い生物の一群である。現在知られる真核生物の、実に半分以上の種を昆虫だけで占めている。だが、昆虫全体の種的多様性は圧倒的でも、グループごとにさらに大きな多様性を持つグループもあれば、ほとんど種分化をしていない種もある。
例えば鞘翅目というグループは昆虫の約40%、40万の種を含む、超多様なグループで、代表的なのはカブトムシである。しかし、もっとも種の数が少ないカカトアルキ目には、わずか21種しか含まれない。
ジュズヒゲムシの仲間は40種ほどである。こう言うとカカトアルキ目より多いように聞こえるが、実はカカトアルキ目が3科15属に別れるのに対し、ジュズヒゲムシはそのすべてがジュズヒゲムシ目ジュズヒゲムシ科ジュズヒゲムシ属に分類される、極めて多様性の少ないグループなのである。
そのようになった原因は、「若い朽木の樹皮の隙間」という、ごく限られた環境にのみ適応する性質から来ているのではないかと考えられている。今回、研究グループが分子系統解析を行ったところ、ジュズヒゲムシは実に2億7,000万年もの間、ほとんど外見を変えず、また種の数も増やさずに今日に至っているのだという。いわば、進化の袋小路に入り込んでしまった種なのだ。
研究の詳細は、Systematic Entomologyに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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