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日本のM&A事業の原点と目下の現状

2019年11月4日 14:46

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 昨今、「M&A」の3文字に接しない日はないと言って決して過言ではない。日本のM&A関連事業の走りとなったレコフが日々配信するM&A情報をチェックしているため、一層そう感じるのかもしれない。

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 レコフの創業者:吉田允昭氏とは、かつてダイエーが全国展開を進めていた時期に、ダイエー側の先頭に立っていた藤本敬三氏(元ダイエーファイナンス社長)の紹介で知り合った。吉田氏自身振り返っているが、M&Aなる事業を知ったのは「投資銀行の中国系米国人から売却案件(企業)の一覧を見せられた時」だという。

 吉田氏は当時、旧山一証券本店の課長代理。「凄いビジネスだ」と直感した吉田氏は会社に掛け合い「5人体制」の専門部署を設立した。そして早々の時期に出会ったのが「ダイエーによる地場スーパー買収による全国展開」だった。

 藤本氏とタッグを組み、実績を積み重ねていった。その功もあり吉田氏は山一証券の役員まで昇った。だが退任。1987年にレコフを興している。

 こんな話を思い起こしたのも、ひとえに日常的に伝えられ積み重なっていくM&Aの実態ゆえである。とりわけ私の世代(団塊の世代)が興した企業が「後継者」にバトンタッチする時期を迎えている。が、息子に娘に「禅譲」というケースばかりではない。「当社の企業価値を認識し、買い取ってくれる企業を探すのも選択肢」と考える創業者も少なくない。

 そうした観点から私は例えば、M&A大手のストライクにいま深い興味を持ってウォッチしている。公認会計士・税理士を主体に事業展開を進める目下の主軸は「事業継承」に伴うM&Aの仲介。伸長著しい。2016年6月に上場。初の16年8月期の決算は「売上20億600万円、営業利益7億9600万円、最終利益5億1000万円」が、前期には「45億5000万円、16億円、10億7000万円」に達し、今期も高くなった下駄もなんのその「23.6%の増収、18.6%の営業増益、24.2%の最終増益、3円増配17.5円配」計画で立ち上がっている。

 全国の公認会計士・税理士協会や地域金融機関に網を張り巡らし、「M&A Online」なる仮想(ネット)市場を介しビジネスを展開している。そんなストライクに対し「地盤は固まった。拡充策に打って出た」と痛感したのは、7月11日の配信だった。新たに「M&A Online MarKet」を立ち上げた。こんな枠組みである。

★同業他社が抱えている売却希望の案件を匿名で掲載する。他業者にとっては、自らが有する買い方企業にとどまらず広範に買収企業情報を配信できる。

★サイトには買収企業の求社広告、閲覧者向け一般広告が掲載される。

★無論、ストライクにとっても新たなビジネスチャンスの場になる。ストライクは5年以内に、売却希望案件数1000を目指すとした。

 ストライクを投資対象として興味深いとする趣旨の投稿ではない。が、本稿作成時の時価は3000円前半から半ば。1月4日の1532円(年初来安値)から10月1日の4070円(年初来高値)まで買い進まれ、目下高値ゾーン。株価は「伸長」を反映している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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