新たな太陽系外惑星KELT-24bを発見、千葉工業大などの研究

2019年10月29日 09:05

印刷

かわべ天文公園の口径1m望遠鏡。(画像: 千葉工業大学の発表資料より)

かわべ天文公園の口径1m望遠鏡。(画像: 千葉工業大学の発表資料より)[写真拡大]

 また一つ、太陽系外の惑星が発見された。千葉工業大学惑星探査研究センターが参加する国際研究KELTプロジェクトによるもので、発見された惑星はKELT-24bと呼称されている。研究に参加しているのは、石丸亮主任研究員と吉田二美研究員ら。

【こちらも】新種の太陽系外惑星を発見 地球型それとも天王星型? 加大学の研究

 探索に用いられた天体望遠鏡は、千葉工業大学惑星探査研究センターが和歌山県日高川町と提携して利用している、かわべ天文公園にある口径1メートルのもの。今回のKELT-24b発見は、その提携がもたらした初の科学的成果となった。

 KELTプロジェクトにおいて、KELT-24bが惑星ではないかという予測は既に立てられていた。そこでその仮説を検証するために、アメリカと南アフリカにあるKELT望遠鏡の約100倍の空間分解能を持つ、かわべ天文公園の望遠鏡が用いられたのである。

 観測は2019年5月3日夜に行われた。結果、惑星のトランジットの観測に成功、KELT-24bの存在を立証したのである。トランジット観測というのは、惑星のような暗い星は直接望遠鏡を向けてもまず見えないので、惑星が主星の前を通過する際の光の減衰を検出する方法のことである。太陽系外惑星の検出方法としては一般的に用いられているものだ。

 KELT-24bは惑星としては極めて大型、木星の約5倍の質量を持つとみられる。主星である恒星HD93148からの公転軌道の距離も近く、いわゆるホット・ジュピターと呼ばれる灼熱の惑星であるという。このようなホット・ジュピターの発見例はいまだ少なく、惑星質量の上限に迫る巨大惑星の性質などを理解する上で、重要な研究対象になるとみられる。

 なお、研究の詳細はThe Astronomical Journalに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連記事