【編集長の視点】JSSは決算発表前に通期増益転換業績を見直し「水中バイク」人気もオンして反発

2019年10月24日 09:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ジェイエスエス<JSS、6074>(JQS)は、前日23日に1円高の605円と反発して引け、10月4日につけた中間配当の権利落ち後安値595円からの出直る動きを続けた。同社株は、今年11月13日に今2020年3月期第2四半期(2019年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今期通期業績が、2期ぶりに増益転換と予想されていることを見直し、割安内需株買いが再燃した。今年9月24日から特許出願中の全身運動マシン「J-パドルバイク」を使用して「水中バイク」の新プログラムの提供を開始したことも、業績期待を高め手掛かり材料になっている。

■特許出願中の「J-パドルバイク」で理想的な全身運動を提供

 同社の今2020年3月期業績は、売り上げ89億4200万円(前期比2.4%増)、営業利益5億400万円(同6.9%増)、経常利益5億100万円(同3.2%増)、純利益3億1900万円(同0.5%増)と予想され、2期ぶりに増益転換する。前期業績は、2018年4月に導入した新人事制度による「働き方改革」で、実力主義の傾向を高めつつ、賃金体系の透明性や責任等級格付基準の明確化などを進め、人件費負担が増加して減益転換したが、今期は、この一巡に加え、既存施設の新築移設も含め、年間2店舗の開設を計画し、施設自体もコンパクトタイプ施設へ移行し、利益率の改善が見込めることなどが要因となる。なお配当は、年間17.5円(前期実績15円)と6期連続の増配を予定している。

 今年8月8日に発表した今期立ち上がりの今期第1四半期(2019年4月~6月期、1Q)業績は、キャンペーン効果やインターネット広告の活用で会員数が増加し、営業利益が前年同期比27.2%増、経常利益が同26.1%増とそれぞれ増益転換し、純利益は700万円(前年同期は400万円の赤字)と黒字転換するなど順調に推移した。これも今期2Q累計業績への期待を高めている。

 なお「水中バイク」の新プログラムは、水中の一輪車(「J-パドルバイク」)に乗りながら音楽に合わせてアクションし、インナーマッスルを刺激する一方、二の腕も引き締めるなど膝・腰にやさしい理想的な全身運動を可能とするもので、「JSS中川スイムスクール」(名古屋市中川区)などの12店舗で提供、日本初となる。

■GC示現で割安修正に弾みをつけ年初来高値奪回から2018年7月高値を意識

 株価は、同社所属の水泳選手の瀬戸大也選手が、2020年東京オリンピックの代表選手に内定したことや、「水中バイク」プログラムの開始、連続増配の中間配当の権利取りが加わり635円高値まで買い進まれ、今年2月につけた年初来高値683円に肉薄した。同高値からは、配当権利落ちで595円まで下ぶれたが、25日移動平均線を前に目先調整確認として出直ってきた。この間、25日線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化しており、PER7倍台、PBRは0.85倍、配当利回りは2.89%の割安修正が加速する展開も想定される。中間配当の配当権利付き高値635円抜けから年初来高値638円を奪回、2018年7月高値868円が次の上値フシとして意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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