東北大、350度で動作する酸化ガリウムダイオード開発 次世代半導体に期待

2019年10月23日 17:48

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電子顕微鏡によるPdCoO2/Ga2O3 界面の原子像(左)と、対応する結晶モデル。(画像: 東北大学の発表資料より)

電子顕微鏡によるPdCoO2/Ga2O3 界面の原子像(左)と、対応する結晶モデル。(画像: 東北大学の発表資料より)[写真拡大]

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 酸化ガリウムを用いたダイオードは次世代パワーデバイス向け半導体として期待されてきたが、高温性能に課題があった。ダイオードは高温や反応性ガスなどの過酷な環境で電力制御やセンサーに用いられるため、耐久性は必須の特性である。そんな中、東北大学金属材料研究所の研究グループは21日、350度の高温で動作する酸化ガリウムダイオードの開発に成功したと発表した。

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 今回の研究成果は18日付で「Science Advances」オンライン版に掲載されている。

 酸化ガリウムを用いた半導体デバイスは、バンドギャップが約5.0 eVと大きいのが特徴である。バンドギャップが大きいと、大電流や高電圧の用途であっても壊れにくいため、パワーデバイスへの応用が期待できる。

 しかし、酸化ガリウムは高温特性に優れないという課題が存在していた。ダイオードは半導体と金属を接合して用いるが、酸化ガリウムの場合はそれに合った金属の組み合わせが発見されてこなかったのである。「ショットキー障壁」と呼ばれるエネルギーの障壁が十分でなく、その影響により高温下での動作が安定でなく劣化も生じやすかった。

 そこで東北大学金属研究所のグループは、一般的な金属の代わりに金属酸化物に着目した。一般に金属酸化物は電気を通さないものが大半ではあるが、一部には導電性を持つものがある。中でもコバルト酸パラジウムは、金や銅などに匹敵する電気導電性を持つという特徴を有する。しかも金属酸化物は熱安定性や酸、アルカリに対する耐性にも優れている。

 さらに研究グループは、酸化ガリウムとコバルト酸パラジウムの界面の原子レベルでの制御も行った。その結果として、従来の1.4 eVを大きく上回る1.8 eVの高いショットキー障壁が作り、350度でも安定した動作を実証した。

 350度という高温でも動作する半導体が開発されたことは、実用上の意義も非常に大きい。自動車や工業プラントのパワー半導体、センシングデバイスなどへの応用が期待される。これらのデバイスが実現すれば、半導体の冷却機構も簡略化でき、より省エネにもつながると考えられる。

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