株価もエールを送る? 吉野家の回復基調に期待したい理由

2019年10月15日 11:50

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 ファンとして、吉野家ホールディングス(以下、吉野家)の回復基調に期待を寄せたい。今でも取材等で外出する際は、しばしば吉野家で食事を摂る(メニューは、牛皿・ごはん・おしんこう)。

 そんな吉野家の営業利益が前期比97%強減の1億400万円まで激減したのは、前2019年2月期。だが今期は、「2.8%増収(2080億円)、855%営業増益(10億円)、1億円の黒字回復」と復活を宣言する?計画でスタートした。

 そして開示済みの3-8月中間期は期初計画比で売上高こそ横ばいも、「営業利益、最終黒字」額は大幅に上回った。手元の会社四季報・秋号は「会社利益予想、保守的」とし、「営業利益34億円、最終利益25億円」に独自増額している。

 「回復基調」の背景は、「海外店舗数の増加」「今期上期80店の大幅な店舗改装&新メニュー(牛丼超特盛)効果」「グループ企業:はなまる(讃岐うどんチェーン)の採算回復」などに求められる。が、私は加えて積極的な「新しい枠組みの事業展開」への注力に着目の価値がある、と考えている。

 シェアリングエノノミーの時代、が指摘される。そんな時代のトップランナーとして走ってきた企業に、軒先(東京都千代田区、西浦明子社長)がある。09年の創業以来「軒先ビジネス(スペースシェアリングサービス)」「軒先パーキング(パーキングシェアサービス)」を展開。第3弾として、昨年5月に吉野家と提携し「軒先レストラン」の運営を始めた。

 軒先レストランは既存の飲食店と、新たに飲食店を開業したい(副業組や独立志望の飲食店従業員)向きをつなぐシェアリングプラットホーム。その枠組みをザックリ記すとこんな具合だ。

 例えば居酒屋やダイニングバーが主体の店舗経営者にとっては「採算がとりづらいアイドル時間帯(昼間)」は重荷。一方、新たに飲食店事業に足を踏み入れたい向きには「果たしてうまくいくかどうかの不安」+「開業資金」が重荷。そんな両者を結びつけ、双方の重荷の軽減を図る。成約すれば、課金が軒先&吉野家に入る。

 だが問題は、店舗(ビル)オーナーの了解を得られるかどうか。そうした事態に力となるのが、グループ(前記以外にも、ステーキのドンや京樽)を含めて多店舗展開を執りビルオーナーとの繋がりが濃い吉野家の存在。

 「飲食店の廃業率は少なくない。そんな空室リスクへの対応にかっこう。既存入居店の設備等への破損懸念には、当社同様に保険等で対応しうる対策を講じる」と口説く。

 両社の好タッグは、プラットホームへの(貸したいという)登録店舗数が1年半弱で50店に到達し「1都3県にエリアを拡充する計画」に象徴的。

 諸々の施策で回復軌道入りを図ろうとする吉野家に、株価はエールを送っているかにも見える。今期計画が発表された(4月11日)直後の株価1669円(年初来安値)に対し、10月10日には2843円まで買われ、本稿作成中の時価は2800円出入り水準。私も近々、吉野家にエールを送りにいつものメニューを食べに行こうと思う。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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