社員の副業はイノベーションを起こすのか (3) 人材育成としての副業

2019年10月14日 12:28

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 日本企業にとって、イノベーションは大きな課題であり続けている。副業解禁の狙いも、企業と共に社会にもイノベーションを起こそうというものだ。

【こちらも】社員の副業はイノベーションを起こすのか (2) 管理職から見た副業解禁

 社員の副業によって、イノベーションが起きることを期待する企業は少ないくないだろう。しかし、これでは受け身で消極的だ。社員に副業させれば、自動的にイノベーションが起きるとはイメージしにくい。

 一方で、副業解禁は企業側が積極的にイノベーション教育に活用できるチャンスでもある。社員の副業とイノベーション教育の関連性について紹介したい。

■イノベーション教育として副業を活用
 イノベーション教育とは、イノベーションを起こす人材育成を目指すもので、イノベーションにおいては世界から後れを取っているとされる日本では、重要視されてきている。

 遡ること2009年、東京大学はイノベーション教育プログラム「i.school」を起ち上げた。2017年にこの「i.school」は東大から独立し、教育活動を続けている。こうしたイノベーション教育活動は日本の他大学でも行われており、人材育成は教育分野でも重要視されているのだ。

 即戦力のイノベーション人材は需要も多く、全ての企業が確保できるわけではない。またそのような人材に期待しているのは、自社に新しい空気を吹き込んでくれることではないだろうか。

 副業解禁には、社員にとって社外の環境を知り、業務とは異なった経験を積めるメリットがある。加えて、幅広い視野は、イノベーション教育と本質的に通じている。つまり、ただ受け身でイノベーションが起きるのを待つだけではなく、人材育成として副業を活用できるのだ。

■副業推進で社員のマインドを変える
 イノベーションの中でも、破壊的イノベーションはとりわけ日本企業が求めているものだろう。ただ、これには枠からはみ出すような発想が必要となる。組織や和への順応が得意な日本人にとって、それを乱すような行動や発想は少々苦手分野だ。

 だが、いつかイノベーションが起きるのを待つような不確実性に委ねることは、企業にとっても不安だ。そこで、副業に対する捉え方を変え、人材育成の観点から見てはどうだろうか。

 社員の副業には、少なからずリスクはある。しかし、イノベーション教育の一環として捉えれば、大きなチャンスでもありコストもかからない。社員のマインドを変えるために、企業は副業を積極的に活用できるのだ。

 副業解禁と聞くと、どうしてもリスクを先に考え、一面的に捉えてしまう。しかし、ある機会を多面的に見れば、そこにイノベーションのチャンスを見出せるのだ。副業解禁は、経営側にとってもマインドを変えるイノベーション教育になるかもしれない。(記事:西島武・記事一覧を見る

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