方向感見極めたいとの思惑強まる/後場の投資戦略

2019年10月4日 12:27

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記事提供元:フィスコ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;21321.99;-19.75TOPIX;1564.62;-4.25

[後場の投資戦略]

 米国では1日発表のISM製造業景況感指数、2日発表のADP全米雇用報告、3日発表のISM非製造業景況感指数といった9月の重要経済指標が相次ぎ悪化し、NYダウは景気減速への懸念から1-2日の2日間で計838ドル下落した。3日は利下げ期待を手掛かりに122ドルの反発となったが、日米金利差の縮小への思惑から為替相場が円高方向に傾き、本日の日本株は戻りが鈍い。軟調な米経済指標に相場が大きく振らされたあとだけに、今晩の雇用統計発表を前に買い手控えムードも強まりやすいだろう。前場の東証1部売買代金は8000億円弱にとどまっている。なお米9月雇用統計に関する市場予想は、非農業部門雇用者数が14.5万人増(前月は13.0万人増)、失業率が3.7%(同3.7%)、平均時給が3.2%増(同3.2%増)となっている。米連邦準備理事会(FRB)による10月の追加利下げを占ううえで注目しておきたい。

 日経平均の日足チャートを見ると、4月24日に付けた年初来高値22362.92円(取引時間中)を前に失速し、22000円が遠のく格好となった。ひとまず21200円台に位置する75日移動平均線水準で下げ渋っているが、同線や200日移動平均線を下回ってくると一段の調整も意識されるだろう。今晩の米雇用統計発表だけでなく、来週10日からは米中の閣僚級貿易協議が開催される見通しとなっており、これらの結果を受けて日経平均が再び大きく振らされる可能性もある。相場全体の方向感を見極めたいとの思惑が強まり、一昨日も指摘したとおり個人投資家は目先、中小型株の材料株物色でしのいでいるようだ。(小林大純)《AK》

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