2日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で反落、中国景気テコ入れ期待で下げ幅縮小

2019年10月2日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 2日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で反落、中国景気テコ入れ期待で下げ幅縮小
休場明け2日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比49.58ポイント(0.19%)安の26042.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が18.00ポイント(0.18%)安の10182.97ポイントとそろって反落した。売買代金は619億4500万香港ドルにやや縮小している(9月30日は732億9600万香港ドル)。

内外環境の不透明感を嫌気。9月の米製造業景況感指数が約10年ぶりの低水準に落ち込むなか、昨夜の米株が急反落した流れを継いだ。また、世界貿易機関(WTO)は1日、2019年の「世界の貨物貿易量」に関し、伸び率が前年比1.2%にとどまるとの予測を発表。4月に公表した2.6%を大幅に下方修正したこともネガティブだ。香港の社会不安も強まる。中国国慶節(建国70週年)の1日、香港中心部で大規模な反政府デモが発生した。一部の参加者が暴徒化し、衝突は6月に抗議デモが拡大して以降、最大級の激しさとなっている。警官隊に撃たれた18歳の青年は病院に搬送された。実弾による負傷者が出たのは初めてとなる。ただ、下値は限定的。世界的な景気鈍化懸念を背景に、中国政府は追加の景気テコ入れ策を打ち出すとの見方が高まっている。指数は下げ幅を縮小し、一時プラス圏で推移した。

ハンセン指数の構成銘柄では、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が2.2%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.6%安、香港電力大手の中電HD(CLPホールディングス:2/HK)が1.5%安と下げが目立った。このほか、地下鉄運営の香港鉄路(MTR:66/HK)が1.1%安と続落し、約8カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
業種別では、香港の小売が安い。化粧品販売店チェーンの莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が2.3%、香港系アパレル大手の佐丹奴国際(ジョルダーノ・インターナショナル:709/HK)が1.8%、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が1.1%ずつ下落した。

非鉄やセメント、鉄鋼など素材セクターもさえない。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が1.2%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が0.8%安、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が1.4%安、中国建材(3323/HK)が1.0%安、鞍鋼(347/HK)が1.8%安と値を下げた。

半面、港湾・物流セクターはしっかり。廈門国際港務(アモイ国際港務:3378/HK)が3.0%高、大連港(2880/HK)が2.0%高、招商局港口HD(144/HK)が1.7%高、中遠海運港口(1199/HK)が1.1%高、深セン国際HD(152/HK)が1.7%高と上昇した。

一方、本土市場は国慶節で1~7日にかけて休場。8日に取引が再開される。

【亜州IR】《FA》

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