ここ10年間の異常気象、アメリカに7610億ドルの被害

2019年9月19日 12:02

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記事提供元:スラド

 taraiok曰く、

 ここ10年ほどの間、米国内では異常気象などが多発している。今月の9月上旬にはハリケーン「ドリアン」が発生。大きな被害をもたらした。国立海洋局の1980年以降の調査データによると、1980年代のハリケーン発生数は93件だったのに対し、1990年代は110件、2000年代には151件にまで増加した。これにより、極端な気象現象が人々や財産に大きな影響を与えているとしている(NBCNewsSlashdot)。

 さらに異常気象の増加はハリケーン以上にハイペースだ。この異常気象ハリケーンのほかに、洪水、干ばつ、凍結、激しい嵐、山火事、冬の嵐などが含まれる。国立環境情報センターがおこなった気象災害の分析結果によると、1980年代以降、10億ドル以上の被害をもたらした気象災害が大幅に増えているという。

 1980年代は28件だったのに対し1990年代は52件に、2000年代には59件だった。ところが、ここ10年間では111件が発生している。1980年以降に発生した10億ドル越えの異常気象は250件件発生しているが、そのうちの半数がここ10年間で発生したことになる。

 1980年代に発生した被害の大きな気象災害は28件。インフレ調整後のドルで合計約1,720億ドルの被害が発生した。しかし、この10年間に発生した111件の気象災害では、合計で7,610億ドル以上の費用がかかっているとしている。現在のペースでは、2020年代に1兆ドルを超えると見込まれている。

 これらの気象災害による死亡者の数は、1980年代は2,800人であったのに対し、この10年間はほぼ5,200人にまで増加したとされる。なお、この中には先のハリケーンドリアンの被害は含まれていないとのこと。

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