スタッドレスと夏タイヤ、違いは雪道性能だけではない 季節に合わせた選択を

2019年9月18日 11:46

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季節に合わせたタイヤ選びが重要

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 スタッドレスタイヤを冬からそのまま履き続け、夏タイヤの時期になってもずっと使用し続けている人もいるだろう。しかし、その使い方はタイヤの本来の性能を発揮できず、重大な事故につながる危険性があることを知らない人は多い。

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 昭和の時代は、冬用タイヤといえばタイヤに鋲を打ったスパイクタイヤが主流で、走行音と操縦安定性の悪さからドライバーは冬用と夏用タイヤの交換をほぼ確実に行っていた。

 しかし、スパイクタイヤの粉塵公害が問題となり、スパイクのいらないスタッドレスタイヤの販売が開始され、乗り心地が夏タイヤと変わらなくなったことから、そのままスタッドレスタイヤを履き続ける人が増えてきた。

 スタッドレスタイヤというのは、雪道や凍った路面を走行するために開発されたタイヤであり、乾いた路面や雨の日の濡れた路面では性能を十分に発揮できない。特に排水性能に大きな違いがあり、スタッドレスタイヤのように細かい溝が切られた柔らかいゴムのタイヤでは、道路に溜まった水を排出するのが困難になる。

 スタッドレスタイヤは、氷の上の水の膜を取り除き滑らずに走ることができるというCMなどを見て、雨の日も滑らないと勘違いしている人もいる。しかし、氷の上の水の膜が数ミクロンであるのに対し、道路に溜まった水は数ミリ以上になり状況が全く異なる。

 スタッドレスタイヤと夏タイヤは、この性能の効果を高めるためゴム質が全く異なる。スタッドレスタイヤは氷の上の水の膜を、柔らかいゴムが吸い付き水を吸い上げて取り除く。変わって夏タイヤは、固いゴムで路面に圧をかけて水を弾き飛ばしている。

 このように、両者は水の取り除き方が全く異なるため、スタッドレスタイヤでは、雨の日にグリップを失う危険性が高く、特に雨の日の高速道路運転などは危ない。加えて、熱くなったアスファルトではふにゃふにゃとなってしまい、グリップ力が大きく低下するといった問題もある。

 確かに、車検はタイヤの種類に関係なく通るため、安全性に問題ないと考えてしまう向きもあるだろう。しかし、車検は公道を走るために保安基準に適合しているか検査するだけであり、タイヤが夏用だろうがスタッドレスだろうがその保安基準を満たしていれば問題ない。

 スタッドレスタイヤに履き替えるシーズンが近くなったが、このまま来シーズンの夏タイヤとしても使用し続けようと考える人もいるかもしれない。だが安全性を第一に考えれば、季節に応じたタイヤ選びをするのが望ましい。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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